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ちょっと危ない色艶都々逸
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        江戸の絵師と都都逸風日記 2010年


5月3日
葛飾 北斎 「尾州不二見原」 (富嶽三十六景)
北斎は幾何学模様を浮世絵の中に沢山取り入れています。
この絵も樽の丸と樽の中に見える富士は三角です。
こういう構図は現代アートに通じているので、何百年も前に描かれた絵とは思えない斬新さを感じるのではないかと思っています。



5月4日

葛飾 北斎 「朝顔に雨蛙」
この蛙は朝顔の咲くのをじっと見守っているように思えます。
蛙と朝顔は前世で深い仲だったのかも知れません。



5月6日
東洲斎 写楽 「市川男女蔵の奴一平」
謎の絵師写楽です。
写楽は誰だったかというミステリーした本が出ています。
短期間で忽然と姿を消したからです。
謎があっていいですよね。
皆分かってしまうより。



5月10日
中野其玉「杜若白鷺図」
幕末から明治の人で鈴木其一の門人。
絵はスッキリとして無駄がありません。
緊張感が漂う絵だと思います。



5月11日
椿 椿山「鯉図」
つばき ちんざんと読むそうで、渡辺崋山の弟子で、大変、穏やか、誠実、寡黙な人だったそうです。
渡辺崋山は時の政治権力者に迫害され自刃しますが、救済活動の中心メンバーでした。
絵の鯉は生きているかのように跳ねています。



5月12日
葛飾 北斎 「東海道江尻田子の浦略図」 (富嶽三十六景)

北斎の富士は雄大ですね。
近景に漁師船、中景色に浜の村、遠景に富士です。
波を描いていますが、私はこの波を練習に何度描いても描けませんでした。
写真の無いこの時代に北斎は短時間のうちに描き写しとった筈です。
そしていつも思うのは北斎が見ている位置が不思議なんです。
ある時はヘリコプターに乗っているのかと思うほど、高い位置から、ある時は大型船に乗って遠景を見ているのかと思う時があります。



5月13日
長澤芦雪 「幽霊図」
江戸の絵師の中でも好きな芦雪です。
落款が壊れていないようですので未だ丸山応挙の門弟時代に描いたようです。
顔の表情の素晴らしさ、こんな女性に出て来られたら幽霊でも大歓迎です。
差し向かいで一杯飲みたいですね。



5月14日
歌川国定「文読む美人図」

歌川一門は江戸の末期に沢山の優れた絵師(国芳、広重,国定)が登場します。
昔物語、当時の風俗等を残しています。



5月15日
鈴木 春信 「蛍狩」
久しぶりの好きな下手うま絵師の登場です。
人物は今のアニメのようでありながら、川や草木の景色は写実的に描かれています。
背景を黒で描いている絵に良いものがあると思っています。



5月17日
葛飾 北斎 「諸人登山」 (富嶽三十六景)

富士登山なのでしょうか、杖をつきながら、急な山道を登っていく感じがでています。
江戸時代から富士山はこんなに人が並んで登るほどの人気だったんですね。



5月21日
平賀源内
自画像だと思います。
蘭学者、医者、戯作家、発明家、油絵画家と色んな才能を持っていましたが、獄死します。
鈴木晴信とも親交があったようで、晴信の浮世絵常識を超えた絵と源内の常識を超えたものを好む気性があったのでしょう。



5月22日
曾我簫白「雪山童子図」
私はこの鬼の顔が大好きです。
人生の真理を知る為に自分の命を差しだし崖から見投げする修行者を優しく受け止め救う鬼も、どこかの国の政治家には嫌気がさす時があるんでしょうね。



5月23日
歌川国芳「新吉原」
風俗絵を沢山描いた国芳です。
月明かりに籠かきと男3人が喋っているようです。
何を言っているのか、裏にセリフが書いてあったら私が作っている紙芝居になります。



5月24日
葛飾 北斎 「従千住花街眺望の不二」 (富嶽三十六景)
参勤交代は大変な労力が要ったのでしょうね。
この時代から、東京に支店を置き、それが本店になり、今とよく似た形になっていくんですね。
江戸に大名屋敷が無いと何かしようと思ってもお許しさえ貰えず、お家が断絶。
え?今もまだ江戸時代だった?



5月26日
鈴木晴信「蛍狩」
常識を嫌った晴信の絵です。
女性は紗の着物でも来ているのでしょうか。
素肌が見えて風情がありますね。




5月29日
Teraoka Masami 「Uni Woman」

浮世絵のデフォルメ、社会風刺をそのまま現代によみがえらせた絵師と思います。
彼独特の個性が絵に、そしてその個性が普遍性を持っているなら、アーテイストと言えると思います。




5月31日
歌川広重「両国花火」
この風景は琵琶湖の大津花火大会になると、ヨットクラブの連中と船で花火を見ながら酒を飲みます。
思わず重ね合わせて見てしまいました。



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