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NO.6悪女に抱かれて笑って許して♪~ in ペナン
その1
ペナンの悪女は雨風に耐え無事に待っていてくれた。
しかも蘭を沢山咲かせて。
永い間、ほったらかしだったので、体を隅々迄洗ってやる。
今夜は懐に抱かれて寝よう、、、
その2
日本ではあまり見かけない長い抱き枕がマレーシアのデパートでは売っている。
横になって寝る時は抱いたり足を乗せたりして独り寝の私にはかかせないものである。
エアコンの無かった時代は、これを竹やら籐で編んだ長い枕が喜ばれていたようで、風通しがよく抱いて涼しいので、その名も竹女房?と言ったらしい。
(竹夫人又は竹婦人、ダッチワイフともいう。)
おなごはんもおとこはんも、だんだんと夜の御用が少なくなったりすると、竹女房やら竹主人の方がよくなるかも、、、
笑って許して♪〜
・ 久しぶりだと 松茸さがしゃ
ふれりゃ萎れて ねむりそう・・・ゆうほ
浮世絵師:鈴木晴信
写真:竹夫人
その3
ペナンは雨季といっても、日本の梅雨の様にしくしく泣く長雨でなく、急に空が暗くなったかと思うと、雷様が太鼓を鳴らし、風神様が吹き清め、雨女神さまがワーッと泣き大粒の涙を流して通り過ぎる。
バイクに乗っていて、この三神さまにであったら、高架下等雨の避けられる所でユックリ待っていると、30分でお天気になる。
南国の女神さまなので、あっさり、派手目で自分の思い通りにならないと泣く駄々っ子のように思える。
日本の梅雨の女神さまは、胸に秘める想いを堪えながら泣いているような、、、
どこの女神さまであろうと、カミサマには滅法弱く、頭の上を通り過ぎるのを待つ身のゆうほです、、、
・ひと(他人)の力じゃ やみそうにないさ
おいらく恋に すすき梅雨・・・ゆうほ
浮世絵師:月岡芳年 月百景
写真:今朝食べた牛肉麺(牛肉と内臓と米粉の麺でスープが美味)
その4
悪女に抱かれて寝ていると、下からゴンゴンと叩く音がする。
どうやら、大水トカゲのママさんが嫉妬して暴れているのか、ノックして私を誘っているのか、、
朝に顔を洗おうと、デッキにでたら、トカゲのお嬢さんと顔を合わした。
何故ママさんでなく、お嬢さんかというと、体が小さく細身なので、娘が縄張りを継ぎ世代交代したらしい。
トカゲはどこか人間臭い。
体を水の中で反転させるとき、わざわざ腹を見せ手足を延ばし、これ見よとばかり腰をクネクネさせながら泳いでいく。
又、目つきが鋭いというか、冷たいというか、何とも言えない位魅力的なのである。
鶴の恩返しのようにトカゲでもいいから良いおなごさんになって来てくれないかな。
でも、恩返しして貰うほどの事はしてないしな、、、
わたしはヘン?、、、、
ペナンの夜の夢、笑って許して♪〜
・ たとえ死のうと 財布の皮に
人は何して 何のこす・・・大水トカゲのママ
浮世絵師:喜多川歌麿
写真:大水トカゲのお嬢さん(背中に手を組んで腰をクネクネさせて泳ぎます。地元では肉はカレーに皮は財布に)
その5
乗り物で癖があるのは、やはりヨットだろう。
船をみれば乗っている人の考えと性格まで、ほぼ分かると言っても過言でない。
手に入れる時も縁というか、フイーリングというか、馬でなく船があうという所があり、人の出逢いとよく似ている。
その後、自分なりの船に変えられる所が、人間のおなごさんとチョット違う。
私が悪女というのも、この辺りにあるようで、思い通りになるというのは、益々夢中にさせられる。
という事は相手の思い通りのおとこはんになったら、ひょっとしたら惚れられるだろうか?
そう一筋縄ではいかぬ所が人間のような、、、
ヨットのオーナーにも、手を入れるだけいれたら、興味が無くなる人がいて、何の為に手に入れたのか理解し難いが本人はそれで大いに満足している。
そんな自分の思い通りのおなごはん、馬があうのは勿論、肌もあわしてみたいものだ。
笑って許して♪〜
・ 馬があうまえ 肌合したい
そんなおまえにゃ けりつける・・・ゆうほ
浮世絵師:国芳 近江の怪力遊女お兼
その6
浮草生活をしているゆうほは海の上に漂っているのだが、「母なる海」というのは何故だろうと思う。
おなごはんである母は生き物を生み出す意味が含まれているのだろう。
おとこはんの父なる海では、色気が無いし、存在感がない。
ゆうほ的に考えると、「海」という漢字はサンズイの「水」、毎日の「毎」で毎日海の上でピッタリ。
又、「海」という漢字の中に「母」が書かれているからだろうなどと屁理屈を捏ね弄って遊んでいるのである。
雲行きが怪しく荒れだしたら手をつけられないと、行き過ぎるのをただ待つだけというのもコワ〜イ時のおなごさんとそっくり。
荒れさせるおまえが悪いって?
笑って許して♪〜
・たとえ涙が 真珠になろと
君が人魚じゃ 泣かしゃせぬ・・・ゆうほ
浮世絵師:歌川一門 歌川豊国 観(世)音霊験記・西国編
その7
船で海に出て、嵐の時やら夜に港に向かう時、速く楽になりたい為、入港を焦る事が多い。
港の中は波と風から守ってくれて安らぎをくれるのだが、始めて入る港は何があるか分からない。
入口は狭く、見付けにくく、下手につっこんでは、周りの網に捕まったり、見えない岩にぶつかったりする。
やっとの事で入れて、港の岸壁に停めて寝ようとしても、怖い顔した旦那さんが出てきて文句を言われたりすると、喧嘩になったりする。
一度入れて様子が分かれば、もうこちらのもの目を閉じていても中はしっかり分かっているのでスッと入れられる。
港の話じゃなくて、おなごさんとの話じゃないかって?
笑って許して♪〜
・ 一度通せば 二度三度とは
あたしゃお座敷 ありゃせんわ・・・ゆうほ
浮世絵師:月岡芳年
その8
ペナンはあちらこちらに屋台村があり、食事時ともなれば良い臭いがしてくる。
今の季節だけ特別な臭いのする屋台がある。
完熟した刺の出た果物ドリアンが売られている。
実を割るのは、軍手をし先端の刺をよく見て割れ目を探しそこにナイフを入れて拡げていく。
中から薄黄色の種を包んだトロリとした実が出てくる。
独特の臭いで、嫌いだと思えば逃げだしたくなる程臭いものらしい。
臭いもの好きのゆうほ、ドリアンでも鮒ずしでもブルーチーズでも大好きである。
10種類以上あり値段もマチマチ、以前すべてを買って試してみたが一番高いものから3番目位までは確かに味が濃かった。
ドリアンと酒は食いあわせ、胃の中で化学反応を起こし毒ガスが発生する。
良い事聞いたなんて、ニヤリとしているあなた、旦那さんの晩酌のツマミに出さないでね、、、
当局は一切関知しないからそのつもりで。
笑って許して♪〜
・ へのようなおまえが ほの字かわり
ひとつ布団の くさいなか・・・ゆうほ
浮世絵師:鈴木晴信
写真:ヘッドライトの照らされている刺があるのがドリアン。
手前大きな細長いスイカみたいなのがジャックフルーツ。
横がランブータン、左マンゴースチン
その9
来週は満月、旧暦のお盆でペナンはお祭り騒ぎになる。
街中は大きなテントが張られ舞台がつくられ踊ったり唄ったりする。
各種月餅が売られるが、私は卵の黄身の入ったものがお気に入り。
わがハーバーでも月見の宴を開こうと計画中。
ただ、酒を呑むだけだろうって?
笑って許して♪〜
・ 月にひかれて 潮さえ騒ぐ
君に惹かれりゃ ちもさわぐ・・・ゆうほ
浮世絵師:葛飾北斎だったと思います。
写真:月餅(卵2個入り)、プアール茶
その10
日本の健康保険を持っていないゆうほは、ペナンの掛り付けの医者ホームドクター頼(ライ)先生をもっているが、今回新たに漢方医を得た。
人愛堂といい、医者の名前も中華系でライ先生(同じ姓名)である。
最初の診断は丁寧に脈を取り、舌をみて血圧を測り、問診する。
「腎臓の過剰過ぎる働きと前立腺に問題ありですので、高血圧と不整脈も含めて体全体を直していく薬で、当然下も回春します。」
との事、本当に効けば有難い処方。
漢方薬は最初10種類位までは数えていたが、色んな漢方を棚から引き出し測って7日分取り分けていくので、結局15種類位になったであろうか。
見ているだけで効くような気がする。
大きな袋に入った漢方薬を茶瓶に入れ、コップ4杯の水でコトコト煮詰め、コップ1杯分になった所で飲む。
もう一度コップ3杯分水を入れ同じく煮詰め、これは夕食後に飲む。
「針を打ったら、もっと効果がありますよ。」
と言われたが、
「まず、薬の効果を見て考えます。」
と、針が怖いゆうほは言い逃れ。
1週間分で5000円程、高血圧、不整脈、腎臓、前立線も良いけど、他にも効いてくれないかと期待している、、、
・ 恋の病に 薬は効かぬ
主の注射で なおるよな・・・ゆうほ
浮世絵師:豊国 灸すえよし
「さりながら貧の病は苦にならず
ほかの病のその外(ほか)に
顔痩(おもやせ)みゆるひとり寝の
身は大切と風かこふ
霞の屏風ひきたてて
鳥もねぐらに灸すえぞよし
作者万亭おう賀」
写真:人愛堂
その11
隣のヨット、マレーシア人クルーのアリが、
「11月の中旬にペナン第2大橋完成記念サイクリングに一緒に参加しょう。
オレはもう登録してTシャツを貰ったよ。」
「私の自転車は電動アシストだぜ。」
と、体力に自信の陰りを覚える私は躊躇するが、彼はしきりに誘う。
今年9月完成予定のマレー半島にかかるペナン第2大橋での記念イベントのようだが、完成予定が遅れている。
橋の距離は、片道15kmはあるだろうし、ハーバーから橋の入り口までも10kmはある。
往復50km以上はあるので、チョット、、、
日曜日の早朝、ジョージタウンからペナン島1周サイクリングが行われているのは、この為の練習だったのかもと気がつく私である。
ハーバー横のペナン大橋は毎年11月にマラソン大会があり、私は登録せずに橋のたもとから中央まで歩いて参加し夜明けを見る事にしている。
日頃走ったり歩いたり出来ない橋を、交通遮断しているので気持ちは良い。
この日はペナンにこんなに沢山人がいたのかと思うほど人が参加する。
マレーシア人は、遊び方がうまいようで、夕方になると、サッカーとバレーボールをミックスしたようなセパタクローというのをして遊んでいる。
また、鉄球を投げる(子供の時のビー玉遊びに似ている)ペタンクもあちらこちらでやっている。
仕事の延長線上のお付き合いの飲み会、ゴルフに時間を取られている日本ビジネスマン、退職と同時に仕事仲間との縁も切れ何をしようかと悩むよりよいような、、、
その時に利害も肩書もない付き合いができる遊び友達が何人いるだろうか。
笑って許して♪〜
・ 老いた枯れ木は かえって燃える
はいになるまで 恋火なか・・・ゆうほ
浮世絵師:芳玉 見立松竹梅の内
写真:セパタクローのボール(竹製)
その12
ペナンは多民族国家、カレーもインド風、マレー風、中華風と色々ある。
日本では味わえないフイシュヘッドカレーの旨い店がバターワースにある。
元はシンガポール料理という事だが、中華系のフイシュヘッドカレーは最高に美味しい。
日本の魚の捌き方と違って、大まかで、鱗を取ると頭を落とし、身はブツ切りというのが普通であり、頭を料理する事なく捨てられていたのをカレーに入れたというのが始まりという。
鯛の頭を兜割にした身が入っていてスパイスも各種効いている。
骨まで、骨まで ホネまでっと♪〜、、、、ごちそうさん。
最近は気骨のあるおとこはんが少なくなったような、、
笑って許して♪〜
・骨はなくても たつときゃたつと
ほらをふいても すぐ萎む・・・ゆうほ
浮世絵師:月岡芳年 月百姿
写真:フイシュヘッドカレー
その13
浮草生活を楽しんでいるゆうほ、ペナン風ぬか漬けを研究中。
ぬか床は、塩加減もよくなったのだが、漬ける野菜に工夫がいる。
暑い国なので根菜類は種類が多いが、青葉物は癖のあるものが多い。
キュウリは日本のものと変わらないのでOK。
5種類位茄子はあるのだが、茄の皮が硬く水ナスの種類が見つからない。
市場で目につくものというと、冬瓜、白瓜、西瓜、山芋、パパイヤ青マンゴー、オクラ、蓮根、牛蒡等。
白瓜はテストしたが結構旨い。
冬瓜は大きすぎて独りモンには余って困る。
西瓜は中を食べて白い所をつければいけそう。
青い熟す前のパパイヤも、いけそうである。
蓮根、牛蒡、山芋はぬか漬けより、ピクルス風の方があいそうだが、ぬか漬けの前にチョット塩茹でしてみたらなんて考えているが、ダメかな、、、
料理も遊びのひとつ、とんでもないものが出来たりするのが面白い。
朝のお茶漬けに欠かせないが、、、
笑って許して♪〜
・ 床にねかして しこんだあとは
急ぎ朝立ち 口のなか・・・あさづけ
浮世絵師:歌川広重 大はしあたけの夕立
その14
今夜は仲秋の名月、旧盆でペナンはお祭り。
ペナン大橋の後ろから昇る月は普段より明るく綺麗だ。
わがハーバーも長屋の住人を集めて、月見の宴と洒落こみ酒を飲む。
日本なら月見団子、中華系は月餅を食べる。
どこかの国の昔話、今夜、月ではウサギが餅をつき、かぐや姫がバニーガール姿でサービスをするらしいが、ここは男ばかり、ウサギちゃんも姫もいないのが、、、、、
笑って許して♪〜
・ 月にゃ芒が 似合いじゃないか
禿げよと口説く かぐや姫・・・ゆうほ
浮世絵師:月岡芳年 「月百姿 月宮迎」 かぐや姫
写真:ペナン大橋とおぼろ月
その15
南国の気候は、生命を育てるのか、荒地も直ぐにジャングルにしてしまう。
毎日散歩している空き地も木が生え下草もびっしり、そうなると虫も沢山生まれてくる。
カマキリはオスよりメスの方が大きくて、交尾の後はオスを食べてしまうらしい。
元々オスなんて生き物は、種を残せばメスにとっては必要ないものかもしれない。
それなら、ただで死ぬより、せめて愛しているメスに食われた方がいいか等と、、
オスの方が単純で馬鹿なのかも、、、、
今夜はカマキリオスに乾杯!
笑って許して♪〜
・ 人は惚れたと けだものごっこ
あたしゃ命を かける恋・・・かまきり
絵師:伊藤若冲 冬葵
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