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                103番ペナン雑記帳6   2009年6月

遊帆(UFO)はペナンのJabatanHarborに係留して居ついてしまい、今後も5年位は動かないつもりである。
動くためには、
1.修理をしなければならない 
2.今より快適な所があるか、もっと魅力的な所がある
3.安全な航海ができる
このうち、1の修理をしなくてはならないという理由は、動く意思があれば即修理にかかれるが、5年程すれば
電気自動車開発が進み、バッテリーの優れたものが開発される可能性があり、同時に電気モーターも効率の
良いものが普及するに違いないと考えている。
マリンエンジンヤンマ―も小型ヨットマリンモーター等開発するだろう。
ヨットの場合、自動車と違い多数バッテリーを積み込んでも重さは航海に影響ないとすれば、モーターにすれば動力システムも簡単になり、
マリンエンジンと違って部品も減るのでメンテナンス、修理に手がかかる事は少なくなる。
実際の航海でも、外洋にでればセーリングが主となれば、セーリング中のソーラーパネルによる充電も可能になる。
世界金融危機と不景気の為、オイルに頼らない社会に方向は向いているので、風力、太陽光発電機器も
安価に性能の優れたものが普及するだろう。
ハーバーに係留中に陸電から充電するか、アンカーリング中に風力、ソーラーパネルで充電し、再度セーリングすればよい。
2.の今より快適な所があるか、もっと魅力的な所があるかについてだが、今のところ快適さ、生活のしやすさではここが一番である。
ならば魅力的な所を探すという事になる。
魅力的かどうかは分からないが、かってクルージングしたフィリッピンの孤島の子供たち相手にそろばん教室をやってみたい。
私はそろばんは全くできないのだが、授業料無、来た子供には食事提供し一緒に遊ぶ教室である。
これが最後の夢になるかもしれない。
3.安全な航海ができるについては、5年後には海賊も私の囮ヨットアイデアで仕事が難しくなるだろうと見ている。
今回の金融危機が歴史の転換点の様であり大きな変化を感じるのである。
エネルギーをオイルに頼らない社会と、情報配信変化である。
情報配信に関してはインターネット環境が整備されているにもかかわらず、日本はソフトの方で多分大幅な遅れをとり、取り残されるだろう。
自動車は電気に頼るようになるのはもう常識である。
この分野では日本のメーカーは世界に先んじているが、アメリカも新しい電気自動車会社が立ち上がっていて、
国家は後押しするので急速に差は縮まり、世界標準規格を作られてしまいそうな気がする。
充電の為の施設法律整備、開発の為の資金投入でGM、フォード、クライスラー等では無いベンチャー自動車メーカーが出てきて
あっと言う間にマイクロソフトみたいな事になるだろう。
ここから先は私が子供時代に夢中で読んだ鉄腕アトムの世界に入る。
道路には動力電線があり、電気自動車はこのコースを離れない限り電力はそこから得て走る事が出来る。
或いは道路側に電磁石駆動装置があり、自動車側にもタイヤに仕掛けがあって、その上ではタイヤが回転して自動車を走らせる。
コンピュータで行き先を指示すれば事故なく安全に自動操縦され交通事故0となる。
或いはもっと進んで自動操縦で動ければ空いた車を呼ぶ事が出来、自動車はタクシーでも自家用でも無く、
クレジットカードで動くレンタル自動車社会になっているかもしれない。
使われなくなった古い集合住宅の中に自家水耕野菜菜園があり、ソーラーパネルの光か、ファイバーグラスケーブルで光を当てて
無農薬野菜が家の近くで作られ、日々の食事に使われ、残ったものは販売され奥様のアルバイト収入になっている。
しかも食料自給率も改善される。
日本人は新鮮安全な野菜が主食のベジタリアンになる為、メタボ、肥満、高血圧、糖尿病、ハイコレステロースは改善、
食物繊維が胃腸の掃除になり、胃癌、腸癌が減り益々健康長生きになる。
全身快適空間と電動補助パワーのついたロボットスーツが作られ、力仕事も楽になり、ついでにヘルメットまでついていて、
空気清浄装置がある為花粉症、インフルエンザウイールスに悩まされる事も無く病気感染は減る。
ヘルメットには勿論コンピュータ映像が映し出され電話、ニュース、本、音楽等全ての情報を得る事が出来る。
このロボットスーツを着て町を歩いていれば、強盗などに襲われても安全、例え交通事故にあってもへっちゃらという優れものである。
補助パワーの為、町を歩く人はマラソンか三段跳びの様にして動けるので運動の為に会社まで走っても自動車と同じスピードで疲れない。
このロボットスーツは人間が鉄腕アトムになれるのだが、アトムの様に愛と勇気を持って正義の為に闘えるような人間脳になっているだろうか。
人間は頭の中に描くイメージは実現できると、何かの本に書いてあった。
そうなった社会は人間の心に余裕ができ、遊び心が溢れ、新たな価値観、哲学、宗教、芸術、文化がうまれるに違いない。

もう一つの大きな変化の情報配信の大幅な遅れをとると予想している原因は日本の新聞、書籍に認められている再販制度で
政府に保護されている為である。
公共、公益を代弁している新聞、書籍が政府の法律に守ってもらっていて本当にその立場を守れるのか。
競争原理から特別扱いしてもらって、特別扱いして頂いているお上の批判ができるのか。
政府は江戸時代から続いているノウハウのお上に逆らわせない許可、認可権限を本来一番煙たく、うるさいメデイアに対して使い、
メデイア側は保護されている事が管理されている事になるのがわからない。
或いは分かっていても、自社利益優先の為、政府と持ちつ持たれつ狎れあいで仕事をしているのかもしれない。
政府は新聞社、出版社がじり貧倒産しても痛くも痒くも無く嬉しい位である。
政府に保護されて生き残った企業は今まで無いのは新聞各社が社説で述べているので一番良く分かっている筈である。
外部要因でしか日本は変わる事ができないのであれば、アメリカ系のニュース&書籍インターネットサービスが日本の新聞各社と出版社を、大きく変える事になるのは想像するに難くない。
再販制度に固執しても、日本の国民は賢いのでメデイアの選択に厳しい目を向け最良選択をする為、益々利益が落ち込み
何時の日か企業存続が難しくなるのはそう遠くない。
新聞社存属の収入元の購読料と広告料は購読者数で判断されるので、購読者数を増やす為(減らさない為?)に無理なサービスを
購読者にしなければならない。
(うちのカミサマはサービス=映画の無料券、スーパー銭湯無料券の多い所等で選んでいて、新聞社名等関係無いらしい)
一方ではインターネット普及の為、広告収入が減るという悪循環に嵌まるのである。
新聞社も新しい利益確保の方法を見つけなければ、ニュース取材原資さえ確保できず人員整理しか方法がなくなる。
出版社は人気作家の抱え込みで著作権を確保しなければならないが、著作者も出版社にもたれた方が仕事が安定するという、
持ちつ持たれつ構造で今までやってきたが(売れ残り本の数まで価格に乗せて値段を決め再販制度で価格が守られる書籍を買うしか選択肢の無い日本読者こそいい迷惑である。注)、インターネット普及はそんな甘い事は許されなくなるのである。
実力ある著作家、著作物しか生き残れないのである。
新聞も書籍も一般商品と同じ競争原理(品質と価格)の渦の中に嫌でも放り込まれるのである。
グーグル、アマゾン系のこの種のサービスだけでなく、私は、この分野での日本企業の活躍を期待している一人なのである。
一番近いのはソニーと任天堂だと思っている。
ソニー,任天堂にはグーグル、アマゾン系に対抗できる情報配信プラットフォームがあるので中身の版権に挑戦してもらいたい。
任天堂のストーリーが変化するゲームソフトは新時代の著作物の最先端かもしれない。
我々の世代は本と言うと字ばかり書いてあるものであり、鉄腕アトムは内容が如何に優れていてもマンガと呼ばれ一段低く見られ、
“マンガばかり読んでいてはアホになる。本を読め”と親に言われたものである。(マンガをゲームに変えると我々オヤジの言の様である)
今の世代の若者は、字にこだわりが無いとすれば、映像&音楽の方が分かりやすいのは当然である。
ストーリーの面白さと映像&音楽の優れたもので判断しているとすると、我々が呼ぶ本、特に紙活字本(紙質、装丁、印刷技術に拘った)は博物館展示品か美術展示品になるだろう。
ゲームという範疇から抜け出て、新書籍or新教材の名前が得られると、大きく普及するだろう。
日本の文化は遊びを蔑視する傾向があり、教養、教育となると大手を振って歩ける社会だからである。
(注;再販制度を脅かし、壊す動きのあった次の2企業
1.中古本店(ブックオフ)は税務スキャンダルで株価下げた所で出版社が株を取得し経営権を握ったのは何の為だろう、
2.インターネット貸本店(Time Book Town)は去年の暮れに廃業になったのは何故だろう。)

インターネットニュースで面白いニュースがあった。
原田信朗が琵琶湖放送出演中、滋賀県猟銃会から猟銃を渡され6秒間手に持っただけで、警察の家宅捜索、
出頭を命じられたとの事である。
私も居合を練習する為に夜中に近くの公園で居合刀を振っていると、警官4人程に取り囲まれ職務質問された事がある。
全て銃刀法という法律に触れる問題である。
銃刀法の中には模造刀剣類という部類に入っていて厳密に言えば携帯所持許可が必要らしい。
模擬居合刀(ステンレス製で刃は無い)が危険なら、中華包丁の方がもっと危険である。
しかもよく読んでみると所持できる資格者、どんな刀剣も解釈次第でこの法律に触れるようになっている。
銃刀法も問題だが、警察権力を見せつけるような家宅捜索等行う必要があるのか?
琵琶湖放送も今後コンプライアンスに努めますという臭いものに蓋のコメントで、どういう経緯で悪意も無い事を
何故主張しないのか不思議である。
これ以上逆らえばお上に目をつけられるという思いであろうが、メデイアとしては情けない。
草なぎ剛も同じだが、個人で人気商売の為臭いものに蓋でも仕様がないが、公平、公正、国民の代表と事ある事に言っている報道関係社なら、こんな些細な事で警察に引っ張られ家宅捜索されるのは不当であると堂々と裁判で戦うべきである。

任天堂でWiiの新しいセンサー(体温、血圧、脈拍数)が開発されたそうである。
これを使って私の様に独り者相手の、パブみたいなものが出来れば面白いなと思った。
一人飲む時これをを立ち上げ何軒か特徴のあるパブを選ぶと、画面から主人が出てきて、飲む相手を選んでくれる。
例えば、国際問題に強い洋子ちゃんを指名すると、酒の相手をしながら入ってくるニュースを可愛い声で喋ってくれる。
飲むときは堅い話はやめて、芸能ニュースに詳しい愛ちゃん、カラオケで歌でもという時はあっ子ちゃんが相手と言うようになると楽しい。
一方センサーでこちらの状態をチェックできるのだから、それに合わせた話をインターネットから取ってきて、女性の可愛い声で
喋ってくれると、酒の上の話である何でもかまわないのである。
こちらは如何にも喋って貰っているように感じながらニュースも聞ければ良いのである。
もっと進んで可愛いオネエチャン人形が酒をついでくれて、話をしながら、将棋、トランプ、碁の相手をしてくれたり、段々と賢くなるロボット犬が主人のセンサーに合わせてお座り、お手をしたり、つまみを取ってきてくれたりしたら寂しい独り者には有難い。
最後は、”あなた飲みすぎだからまた明日ね。トイレ行って、歯磨いてきて、寝るまで歌を歌ってあげるからね。”
等と言われてお休みするというのはどうだろう。

ペナンのジャスコで京都のクロワッサン風食パン(ボローニャ)を見つけた。
このパンは仕事現役時代、京都祇園で飲み歩いての帰り、お土産に良く買ったものである。
その当時、店はどこにあるのか分からず夜中になると露天で売っていたがパンでは無くケーキの値段だったと思う。
ペナンジャスコでは20リンギット(名前はBorno)だからやはり普通のパンの5倍程の値段である。
食べると少しもっちゃリしているが、味は京都祇園パン(ボローニャ)である。
味というのも記憶として残っているので、食べた瞬間にその当時の場面が浮かんでくる。
何日か前に一人缶ビールを飲もうと、プルトップを引くと、プシュという音で突然鍵さんの笑顔が出てきた。
左手に缶ビールを持ち幸せそうにニコニコ笑っている顔である。
人間の脳の記憶の引き出しに見出しがあり、それが味、音、言葉、映像などになっているらしい。

大屋根観客スタンド付き50mプールと飛び込み台のあるPISAに月〜金曜日毎日通ってウオーキングとスイミングをしている。
スタンドは日陰になっていて涼しく歩くのには快適である。
水泳教室の子供たちは、泳ぎと飛び込みに分かれていて、年齢、性別、人種関係無く、言葉は英語が共通語の様である。
一般人も泳ぎに来ているが、遊んで泳がない人、アベックで来てイチャイチャしている人等は隣の家族、子供用プールに追いやられている。
さすがにビキニスタイルの人はいなくて、モスリムのオネエチャンは全身スイムスーツで肌を隠しているので日本の海女さんスタイルで泳いでいる。
ウオーキング、ジョギングの時はやはりマチコ巻きで見ていても暑そうである。
私は外に行くのはバイクなので、意識して歩くという事をしないと、足が弱ってしまう。
泳いでいると余りにも気持が良く水中でこのまま寝てしまいたい気分になるので、こちらは運動にならない。
呼吸を整える平泳ぎでユックリとカバのように泳いでいる。
1年間会員料50リンギットで1回使用料1リンギットととても安いのである。

隻腕ヨットマン米子昭男さんの海賊被害のニュースが5月初めにあり、以後全く入らなくなって1か月になる。
日本の護衛艦は商船警護で彼の事等構っていられないらしい。
救出も人質交渉の動きも無い。
海外でこういう被害に会う日本人は今後増えるだろう。
結局、ヨットと同じで自己責任で海に出るしかないのである。
平和な日本海域なら小型船舶協会の安全装備等で問題無いかもしれないが、海外航行中のヨットはこれでは海賊から身を守る事が出来ないのは確かである。
自分だけなら未だよいが、奥様、家族で航行しているヨットは自衛手段を講じるべきである。
米子さんの無事を願います。

インターネットで通信販売をしている楽天が、薬事法の改正でインターネットで薬の販売ができなくなったが、
公然と薬事関係者と政府厚生省役人の癒着を名指しで批判してお上の逆鱗にふれたらしい。
日本の企業では珍しくお上に楯突く経営者であるが、今度はお上から個人情報を他社に流したというスキャンダルを
出されて、防戦に努めている。
お役人様は公権で税務、情報等のあらゆる法律を駆使しスキャンダル調査して逆らうとどうなるか目に物見せてやると言った所である。
今までこの手法で日本の企業は牙を抜かれ、お上主導、しかもお役人様の退職後の席まで用意して生きるしか道がないのである。
例えば輸出入通関業務を行う会社は、税関の許認可権限下にいるので、税関退職ポストを用意しなければ業務を続ける事ができない。
書類のタイプミス一つで許可のハンコを押さないといった嫌がらせ(業務妨害かも?)をするのである。
当然、客よりお役人様のご機嫌伺いながらしか業務が出来ない。
お上に刃向かうこの企業の成り行きを注目すると、江戸時代の御用商人とお役人様とそれに食い入る商人との
戦いで時代劇なら遠山の金さんが出てくるのだが果たしてどうなるだろう。
この経営者が自社の利益のみの発言なのか、本当に公共の為にやっているのかどうかもわかるだろう。

"13日、胎内市の荒川沖と新潟市の阿賀野川沖で、プレジャーボート2隻が相次いで転覆した事故。休日の早朝から釣りに出かけた男性計6人のすべてが死亡する惨事となった。2隻とも河川沿いを発着しており、雨風がそれほどなくても危険な波が立ちやすい海域だった可能性がある"
とのニュースである。
プレジャーボートと言っても色々な形、サイズがあるので一概には言えないが、共通点は軽くて重心は上にありスピードが出るように滑走状態で走るように設計されている。
止まれば少しの波でも大きく揺れる。
ニュースによれば天候はそんなに悪くなく2m程の波だったように書いてある。
この海域はどのような所か知らないが、河川内に戻ろうとしていたというなら、外海からロート状に窄まり浅瀬になっていたに違いない。
81番のクルージング中に気付いた事に書いてあるように、荒れた海で帰港は危険が多いのである。
海岸に打ち寄せられた波の帰り波がロート状の中央に集まり波を高くするのに加え、浅くなればなるほど波は高くなってくる。
次に海からの波で川へ流れ込み流れ出てくる動きがある。
このような条件で帰港をする状況を考えてみよう。
船長は天候が悪くなるのを感じ速く帰りたい。
波は高くなるのでいつものようにスピードを出して滑走状態では走れない。
スピードを落とすが波に持ち上げられたときに舵を谷側に切って波に直角になるようにしなければ横波を食らって横転する。
スピードを上げすぎると、波の底で舳先を海中に突っ込んでしまう。
この微妙なバランスを取りながら進めなければならないが、両側からの反射波で動きは複雑である。
陸地付近、港付近の地形によりこれだけ難しくなる。
かといって比較的波の順調な沖で収まるのを待つか、もっと荒天になるかもしれないという状況である。
結果的にはは、帰港決断のタイミングが遅かったという事になるのかもしれない。
ぷレジャーボートは止まれば不安定で大揺れに揺れる転覆もしやすいという事をしっかり認識する必要がありそうである。

隻腕のヨットマン米子昭男さん無事プーケットに6月8日到着していたとのニュースである。
本当に無事で良かったと思う。
セーシェルを出てスリランカ南をかすめプーケットへ向かうコースは2400マイル位でしょうか、ほぼ2カ月(60日)掛っている。
という事は1日平均40マイルという事になる。
全ての海域が無風状態であったとは思えない。
どこか無風地帯でエンジントラブルは私と同じ経験をされたようである。
インド洋の無風地帯は海面が鏡のようで波が全く無い。。
殆ど、漂うだけの日々が続く。
ヨットは無風が一番怖いというのは、その時身にしみて分かったのである。
1日20日30マイル何処に行くか分からない状態になる。
プーケットに到着され、ご自分がニュースになっているとは、思っていないでしょうから、さぞ、びっくりされた事でしょう。
もう一度、本当に無事でよかった。
ヨットマンは荒天で命を失うのは覚悟していても、海賊に命を取られるのは本望ではない。
プーケットでサウナにでも入ってユックリ体力、気力を回復し、新たな航海を続けてください。

このハーバーに係留している船は全部で30隻程でもう空いている所はない。
地元の船もあり、船を置いて一時帰国中の人もいるので、今ハーバーで生活しているのは15人程である。
イギリス人夫婦と男の子(オスカー5歳とジャック2歳)4人というファミリーで住んでいる船もある。
今年の初め結婚し一緒に船で住んでいるタイ人夫婦は来月辺りが予定日である。
若い旦那の名前はタッチ、奥さんはアトム。
長屋と言っても船の上、波もあれば、風も吹き、危ない所も多い。
一寸前もお母さんが目を離した隙に、ジャックが海に落ちた。
大きな声で泣いたので直ぐに掬いあげ大事に至らなかった。
タイの奥さんアトムの子供は最初女の子と言っていた。
”タッチ、奥さん美人、あんたハンサム、こどもも美人やで”
というと、嬉しそうにして親指を出し
”医者ミステーク、男の子らしいよ”
と、おちんちんがついていたという。
私の孫と遊べないので、タッチの男の子が生まれたら、遊ぼうと密かに心待ちにしている。

ほぼ新月の今晩は”新月を肴に飲もう会”という名目である。
新月、半月、満月、理由は何でもよい。
6時半ごろから、桟橋に即席テーブル、椅子等何処からか持ってくる。
その為テーブルの高さも椅子もバラバラである。
昨日、ジョージタウンでひちりん(マレーシア産で10リンギット(300円))を買っておいた。
炭を入れ、火をおこす。
韓国食品の店で見つけた牛肉(チャドルペギという部位)を網の上に置く。
2分もすると煙が立ちながら焼きあがる。
ごま油と塩と胡椒を混ぜたタレにつけて食べる。
臭いにに釣られるようにして人は集まってくる。
勿論、堅苦しい挨拶は無く、知らない人は勝手に自己紹介するだけである。
次は、豚肉のアバラの部位を焼く。
肉と脂身が層になっているのを薄切りにしたものである。
酒は各自持参で、ウイスキー、ウオッカ、ワイン、韓国焼酎、トワ(椰子酒)と各種揃っている。
トワは氷に入れて飲むと、美味くていくらでも飲める。
味は椰子の木により、新鮮である事、違う木のものを混ぜない事らしい。
豚肉も終わり、次はプルコギ(牛肉をタレに漬けこんだもの)を焼きはじめる。
キムチも白菜、大根細切り、モヤシとあり、ポテトサラダ等が用意してある。 
いつもの如く誰が来るかも分からない。
誰でも来て座って飲んで勝手に帰るパーテイである。
結局、7時頃から始めて、12時頃までやっていただろうか。
その間20人以上は出入りしたようである。
(日本5人、韓国2人、マレーシア5人、イラン1人、タイ2人、ヨーロッパ3人、カナダ2人、オーストラリア2人、?数名)
来週から、一時帰国予定であるが韓国経由の航空券を買った。
理由は勿論格安(往復4万2千円程)で、往復滞在期間の制限がない。
韓国は5年ぶり位になるので楽しみである。
ソウル→扶余→テグ→釜山→大阪と考えているが、いつもの如く何処へ行くかは分からない。

私は客家(中国系広東の一族)に弟の様な人がいる。
韓国にはテグに兄貴の様な人がいる。
長い付き合いで、お互いに人生のある時に重要な関わりのある人であった。
今もまだそんな友人が増えている。
利害を超えた男の友情をもてた事に感謝する。
人の出会いは長い時間と地球上のある1点で遭遇するのである。
よく考えてみると、これは奇跡である。
出会った時はその人がどれだけ自分に関わってくるのか、わからない。
長い年月が経ちやっと分かるのである。
時の膨大な流れと宇宙の広さを思う時人の出会い程不思議な事はない。
勿論、出会いはきっかけでその後のお互い理解する努力無では友情は生れてこない。
残り少ない人生を悔いないように生きる。
人と関わり泣いたり笑ったりそれこそが人生だと、思うこの頃である。
数日後、その韓国の兄貴に会いに行くのだが、会って別に話は無い。
顔をお互い見て一緒に酒を飲み飯を食う。
別れる時はいつも見おさめかもしれないと思いながら”またね”と言って別れるのである。

と言う事で

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