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     第120番 10月のペナン     2010年10月

毎日のご飯時の独り言
今夜は、恒例のペナンで一番旨くないカニ屋というレストランで10人程が集まり一杯飲む日です。
別に、皆さんを召集しているわけではありませんが、このレストランの店の裏で中華系主人も店をチラチラみながら、一緒にガヤガヤと飲んでいます。
中華系のマレーシア人も一度友人と思いこんだら、どこまでも身内扱いしてくれるようです。

この所自炊の日が続いています。
理由は一人分の食事を作るのに、材料が余ってしまうのでそれを使おうとして又何かを買うという循環になっています。

この食事を作るというのを私は遊びでしますから、そんなに苦になりませんが、主婦としての仕事と考えると辛いものがあると思います。
家の仕事は切りがない、達成感が乏しい仕事なのです。

私は作る時は、人間は1日1回の食事なら簡単で、余った時間を文明文化の為に使ってよくなるのではないかと考え、食べさせてもらう時は1日5回位旨いものなら食べられたら良いのに等と勝手な事を考えています。

今日は何をするか考え買い物に行く、ついでに喫茶店でケーキなど食べる(ランランラン♪)、この辺は楽しい時です。

作る段になると、皆に喜んで貰う為に美味しく作ろうと思い(ランラン♪)この辺りも楽しいものです。

食べる段になって、旦那は新聞を見て一杯飲み、子供はテレビを見て旨いとも言わない、面白くないでしょうね。

後片付けが又邪魔くさく楽しくない仕事になります。

という状況を理解すれば、旦那のとるべき道は自ずから明らかです。

1.食事時に食事に集中して食べ、口があいたら褒めちぎる。
2.できれば、後片付けも「手伝おうか?」位の声だけ掛ける。
3.たまに「外食でもしようか?」と声だけ掛ける。

「そんな事やってられるか!」
って。
もう、家の頭は自分ではないですよ。
粗大ゴミにご用心!


加齢臭なんて
遊帆(UFO)では私一人が狭い船内で生活しているので、男臭いらしい。
自分の船で、「らしい」というのも変ですが、臭いというのは常に嗅いでいると鈍感になるもののようです。
買い物に行って帰って来た時等、
「そういえば、脂臭いような気がする」
と、言ったものです。
だからと言って誰も入ってこない船内ですのでそのままです。

世の中には加齢臭対策薬品が売られていて商売のネタになっています。
石鹸、サプリメント、薬等。
老人に薬を飲ませると便も臭わなくなるとか。。。

薬まで飲んで臭いを消さなけりゃならないんだろうか?
臭いを指摘する前に老人に対する優しさはあったろだろうか。
加齢臭て何か厭な言葉だな。
未だ、「オジン臭いな!」の方が可愛いい。
はやりの英語にするともっといいんじゃないかな。。
シニア フレグラント(Senior fragrant)

身だしなみとかエチケットとか高級な言葉で指摘されると、聞く方もそれなりに高級な対処をしなければならなくなる。

日本昔話には屁ひり女房という豪快に屁をする嫁さんの面白可笑しい話があります。
現代日本社会では、もう、本当に昔話になってしまいましたね。

日本人は他人迷惑な事に敏感、過剰に意識するという所があるようで良い国民なんでしょうね。


アジのバナナ葉寿司
早朝はペナン時雨で、今日は少し遅めの散歩をし、帰り道にバナナの葉を1枚とってきました。

昨日、市場で大きさ15cm位のアジが新鮮そうだったので、10匹5RM(120円)で買い開いて三枚におろし、皮をはぎ、腹骨と中骨をとりコブ入り寿司酢に漬けこんでおきました。
身は殆ど細切れです。
朝からタイ米にもち米を少し混ぜご飯を炊きました。
これをバナナの葉で包んで押し寿司にしようという考えです。

写真中:バナナの葉でアジ包




遊帆(UFO)の不思議を一つ解明
今年の初め頃から、寝ている頭の所に朝起きてみると何か動物の爪の様な、小さなものがパラパラ落ちているのを発見。
大きな虫めがねで見ても結びつくものが見当たりません。
何か動物か虫かがいるのかと、探し回りますがこれも発見できません。
狭い気密性の高い船内の事、気になりながらもそのまま放置し、朝になったら掃除機で吸い取るしかありません。

落ちている上には本を読む為のライトだけです。

このライトの電線をよく見てビックリしました。
電線が硬化し、ポロポロと剥がれているのです。
触った事も無い電線が自然に硬化して剥がれるという事は船内全ての電線を疑う必要があります。
今はバッテリーは全てはずして陸電220vを使っていますから、危険はありません。

隣の42ft船は配線のショートで船内が火事になって現在リフォーム中です。
配線ショートで熱を持ち火事になる船は結構あります。

遊帆(UFO)も30年経っていますので、私と同じく、動脈硬化(配線硬化)、心臓不整脈(エンジン不調)症状がでています。

この話をお隣の韓国の李さんに話すと
「うちの船もマストの中に通っている電線が心配なんだ。船が揺れて、マストの中でこすれてビニール線がどうなっているか。配線を束ねているプラスチックバンドが切れて落ちてきているから、電線はもっとダメージあるだろうな。」
との事。

長年、共に過ごしてきた船を意思を持った人の様に愛着を感じているのが海の男達です。


雨季から乾季の変わり目
ペナンは雨季から乾季への変わり目なのか、風が南から北へ動いています。
その為ハーバーには波が入ってくるようになり、ここ2日間揺れが強く船で生活している皆さんは苦労しているようです。

こんな時は外へ行き面白いものを見て歩くか薬草サウナでゆっくりするのが一番です。
サウナに行くと、中華系音楽がかかっていますが、時々、
「あれ?この歌は長崎は今日も雨だったとちゃうかな?」
等とメロデイを聞いて思い出します。
歌詞は勿論中国語です。

日本の演歌はこの辺りの暑い国でも人気があるらしく、北国の春、昴等はよく聞こえてきます。

テレサケ(テン)の、持ち歌は人気があり中国語歌詞で、時の流れに身を任せ等が定番のようです。
暑い所で聞く演歌も味があります。


マレーシア、インドネシアの歌というのも日本人に馴染みやすいと思っています。
インドネシア スマトラ島の山の湖(トバ湖)に伝わる伝統音楽はハワイアンそっくりで美しいメロデイーです。

HATI YANG TERLUKA
http://www.youtube.com/watch?v=kSyjFABoi0M

日本人の遵法精神
アジア各地で生活して思うのは、国家の法律に対する国民の接し方が少し違うと感じます。

例えば、国の交通ルール等、信号でも一応目安と考えているような所があります。
所が宗教上の法は、これは守らなくては神様の怒りが落ちるという具合で、国の経済効率、効果等に優先しています。

日本の宗教団体は国の管理下に置かれているようで(国家から優遇措置等)、アジアの様に人はどうあるべきかを説く宗教と呼べるものではない状態です。
その為か、日本人は国が作った法律をそのまま受け入れる、遵法精神は強いように思います。

会社はコンプライアンス部が設置され、お上を恐れて、自己規制し、大人しく、事なかれ主義になり、とりあえずリスクをとらないようにしています。
日本は町内会と会社の団結が強く、国民は全て属していて、どちらも抜けると村八分ですから国家としてはこんなに纏めやすい社会はありません。

こんな事で日本経済の発展も社会閉塞の解消もあるとは思えません。

今日本は検事の証拠改ざんで揺れているようですが、明治以来の国家社会主義は現代も続いていて、戦後も手をつけられなかった強権を持った部署ですので、今回の件は氷山の一角でしょう。
そして誰にもこの所に手をつけられたくないというのが本音(「可視化など必要ないことは、検事経験者には良くわかっているはずだ。」)です。
今まで現政治家でここに手をつけようとした人は落とされています。


遊帆(UFO)に続き本人点検
最近、どうも胸が少し痛み、手がむくんでいます。
マレー半島側で美味しいものを食べるついでに、馴染みの台湾系の医者(頼先生)の所に顔を出しました。
ここは、先生とインド系の利発そうなお嬢さんしかいません。
「久しぶりです。お元気ですか?」
先生は日本語を少し喋れるのですが、お元気なら先生の所には来ませんという言葉を飲み込み、
「はい、一度見てください。」
早速左手をとって脈を診るが、その間も色々問診してくる。
「脈拍は70です。シャツを脱いでください。」
聴診器で長い事聞いて、
「あちらで、心電図をとりましょう。」
勿論、先生が全て一人でやります。
「音を聞いてね。」
マイクから聞こえてくる音は3拍子1泊休とか、4拍子1泊休というリズムです。
先生は心電図グラフを見て
「あなた、こころ大きいありません。」
「ええ、まあ、そのとおりですが。。」
色々、説明聞くと、こころは心臓の事で心臓肥大ではないという事らしい。
血管が詰まって血が流れにくいらしい。
血液検査も先生が自分で注射を打つが、
「ちょっと、痛いです、すみません。」
と、細やかに気遣ってくれます。
「注射位何て事ない、すっぱりやって!」
と英語では難しいので、
「ネバー、マインド!」
こちらの医者は「仁心仁術」と看板にあるように、サービス産業と考えているのか患者本位のようです。
勿論、症状、病名は英語で書いて、薬は何の為の薬か教えてくれます。
名刺を渡してくれて、異常があれば電話をしてくださいとのことです。
ペナンの医者はこの頼先生とインドの先生の所にも行きますが、同じように親切で気さくでいいと思います。

左:ハーバーの夜明け(日の出が南に来ました)
中:待合室の看板(仁の心で医療せよ位の意味?)
右:(華陀の様な名医再来位の意味かな?)



こんなオクサマいれば。。
ダンナサマは会社から帰ってくると、美しいセクシーなオクサマが迎えてくれます。
「お帰えんなさ〜い!お疲れさまで〜す。」
と、キスした後は上着は脱がせてくれて、安楽椅子に座ったら動かなくても全てオクサマが動いてやってくれます。
煙草に灰皿、ウオッカの瓶にアイスとコーラをテーブルに並べた後は、
「まずは、ウオッカのコーラ割で喉をうるおして待っていてね。つまみはフォアグラを食べていてね。」
ダンナサマはテレビを見ながら煙草を口にやるとオクサマがさっと火をつけ、ウオッカのコーラ割は少し減ったらすぐに注いでくれます。
「今晩のメインは霜降りステーキ500gに塩味フライドポテトたっぷり添えています。」
と、安楽椅子までオクサマは料理を運んでくれて、横に座って
「お酒はブランデーストレートがいいかしら。」
と、ブランデーグラスにたっぷり注いでくれます。
ステーキは切り分け口まで運んでくれます。
ダンナサマは全く動かず口だけ動かしていればよいのです。
ハッピ〜!
1時間程食べ続け、飲み続けたのち、
「ア〜タ、デザートはアイスクリームと砂糖たっぷり甘いコーヒーがあうわよ。」
さて、テレビを見て日付が変わる頃、
「ア〜タ、今夜は私の為にがんばってね。」
と、生玉子を3個割って塩を入れ混ぜて、グラスに入れて持ってきてくれます。
ハッピ〜!
ダンナサマは、こんな優しい美人でセクシーなオクサマを悦ばそうと、夜の仕事も頑張って寝るのは、いつも午前2時過ぎになります。
「ア〜! なんて良いオクサマだろう、ボカ〜 シアワセダナ〜!ハッピ〜!」
夜のお仕事も一段落したら、オクサマは添い寝して耳元で優しく囁きます。
「あなたお仕事、もっとがんばってね、お隣の旦那さん、部長さんになって、新しく家と別荘を買うんですって。私達も負けないようにそうしましょうね。」
ダンナサマは、かなりのプレッシャーで寝つかれません。
今日は特別な日ではなく、オクサマはダンナサマに毎日こんなに良く尽くし、大事にしてくれます。
お陰で、ぽってりと肥え、押し出しも良くなりましたが、コレステロールと中性脂肪、高血圧、糖尿病、心臓病、肝臓病、脳梗塞を併発、残念ながら、ダンナサマはポックリと早死になさったそうです。
オクサマはダンナサマに結構保険金は掛けていて、今は前より優雅な生活を送っているという話です。
ハッピ〜!

ハーバーにいる子トカゲは慌てて逃げてゴムのフェンダーに落ち込みました。
左:格好だけはオオトカゲの子供
中:慌てて逃げたのはいいが、ゴムのフェンダーに落ちた。
右:手足を踏ん張っている所



ベジタリアン始まる
昨日は旧暦9月1日 新月で9日まで中華系では九皇帝祭が行われ、町中ベジタリアンの屋台が並びます。
九皇帝とは日本の七福神+2神様なのでしょうか。
それぞれ受持ち専門分野があり女性の神様も二人いらっしゃるようです。

現世御利益の神様が中華系には人気があり、この点ではインド系ヒンズーの神様も似た所があるようです。

神様と人間の関係もアメ(現世御利益かあの世御利益)とムチ(罰が当たる、地獄に落ちる)がないと、成り立たないと思うと神様も人間の仲間かなと考えてしまいます。

ベジタリアンフードといっても日本の普茶料理の様に高級(値段が高い)ではなく、又、昆布味だけでもありません。

殆ど、肉、魚を使った料理と同じく味も見た目も「これホンマにベジタリアン?」と思うものです。

では、どのように肉と魚に見せるかというと、豆腐、湯葉、麩、芋類といった材料を使うようです。

この祭りの最大イベント(見せ場)は頬とか舌に金串をさして町を行進するのですが、タイのプーケットでは大掛かりで、救急車で運ばれる人もでます。


左:2003年プーケットのベジタリアン奇祭り
中:祭ってある所
右:山車に貼ってあった絵(八人しかいませんが一人はどこに?)



ベジタリアンで思う事
今から数年前に遊帆(UFO)でインドまで行った時に、カルチャーショックを受けました。

沖に船のアンカーを降ろし上陸すると、沢山のビニールテントが立っています。
雨をしのぐだけのテントは立てるスペースはありません。
そこから、子供を抱いた女性が出てきます。
身なりも貧しい痩せた女性と痩せた子供達が沢山生活しています。

日本の貧困というレベルではありません。
人々は海岸で糞をし海水でお尻を洗います。
その糞は満潮になると海へ帰り魚が食べ、その魚を人間が食べます。
釈迦が人々の為に悩んだ理由が分かったような気がしました。

広い国土の隅々まで人間があふれているという感じです。
もし、この国で牛が神様の使いでなかったらインドから牛が消えていたんではないかと思う程でした。

随分前(8年位前)の日記に、日本の食牛について書いた事があります。

牛のお母さんは子供を産んでも結局人間に殺され食べられてしまうというのを、何世代も続け牛がその事を知ったら、フグの様に自ら毒を持つ牛になるんじゃないか。
とこんな事を書いていました。

この事で口蹄病のニュースを見た時、やっぱりな。。
と思いました。
インフルの鶏も、豚もおなじです。

こう考えるとベジタリアンというのは、人間の将来に未だ希望が持てるかなと思うのです。

日本も古いビルを壊さず太陽光で水耕野菜栽培工場に変えるというようにすれば、消費者の近い場所で安全な食品を生産する事が出来るかもしれません。

但し、栄養は十分でも贅沢に慣れた日本人は、霜降り肉しか食べないとかいう事になれば、ベジタリアンで辛抱できるかどうか。。
という事は人間の未来は各個人の考えに帰するという事なのかな。

DNAなのか?
今このハーバーで船上生活しているのは6組11人です。
1組はカップルでなく私なのです。
皆さん、60歳以上の人達です。
ペナンも雨季から乾季に変わると、インド洋を渡る事のできる風が吹き始めます。
そうなると、何故か気がそわそわし始め次はどこへ向かうかという話に花が咲きます。
どうもヨットマンというのは、同じ所に留まるのが厭なのです。

私の場合はモンゴル遊牧民かアジア海洋民族の先祖DNAが目覚めたのかもしれません。

タイ、カンボジヤ、ベトナム、フィリッピン等には安土桃山時代に自由に日本人が渡ってきて暮らしていた足跡が残っています。

その頃の日本人は小さな船でも海を渡るという事に別に国を超えるという意識も無く、危険な事は承知の上でそれ以上の冒険心もあったのでしょう。
その後も自由に渡航する事ができていたら、福州、潮州人のように、この辺りに日本人町が多く点在していたかもしれません。
広い海を見た時、見た事もないあっちへ行ってみたいという動機だけなのですが、現代なら飛行機という乗り物があり、一気に行けます。
しかし、何故か歩くより少し早い位のスピードで、日に晒され、雨に打たれ、月夜と星に歓迎され、嵐にあう船旅を続ける方を選ぶのです。

現代日本ではこういう人間は
「ちょっと変わってますね!」
と、呼ばれています。

ペナンの風神雷神雨神
最近は何故か船で自炊が多くなっています。
市場の魚屋へ行くと、結構新鮮で良さそうなアジがありました。
「ニイチャン、このアジ3種類に分けて値段も違うけど、どこがどう違う?」
「背中が黒で黄色の線のアジ、黄色の線がなく目が小さいのと大きいのとある。
旨いのは、黄色の線が無くて目の小さい奴!」
という事で、15匹8RM(240円)で買いました。
捌いて、軽く塩をして網籠に入れて遊帆(UFO)の屋根の下に釣り風神を待ちました。

朝ゴミ拾い散歩の帰り道、まず、先陣をきり雷の神様が派手にピカ、ゴロと凄く元気に暴れます。
2番手は風の神様が風速15ノットで吹き、木は枝をしならせ、野の草は一斉にお辞儀しています。
最後は雨の神様、バケツをひっくり返したように降ります。
南国ペナンの神様は忙しいのか、1時間もしないうちに、次の受持ち場所へ行ってしまいました。
私は靴まで水浸しですが、雨が好きなんでずぶ濡れでもへっちゃらです。
子供の様に水溜りを靴で蹴って遊びながら帰ってきました。
昨日干したアジは雨神に当たる事もなく無事で、今夜のおかずにします。
風の神様も浮世のカミサマも私の思い通りにはなりません。
私の方が、我儘かってなんですが。。


・浮世の主(あるじ) 努めてきたが ここらで幕を ひとり引く

葛飾北斎「雪中虎図」

浮世絵師の中でNO1の北斎、死の3か月前に描かれた虎は、自身が人生の主として生きてきた納得した思いと、死を覚悟して嬉しそうに去っていくような顔をしています。
私達見ている者に笑いを残しながら奥へ軽快な足取りで去っていくようです。



ペナンのファッション
数年前と違うと思うのは、女性のマチコマキ(モスリムの象徴ファッション)が少なくなったようです。
それに、若い女性のマレー民族衣装を着ている人が少なくなり、着ているのは、こういえば失礼になるかもしれませんが、小錦風肝っ玉カアチャンが主となってきました。
マレー民族衣装は上から下までダブダブで体の線が見えないというのを、上手に取り入れています。

何よりも、目を引くのが、短いパンツと殆ど裸に見えるブラジャーに少し布のついた様なスタイルです。
足が長く、その上に何も穿かない生足というのでしょうか、お顔を見なければドキッとします。
年寄りの私でさえ、こんな風ですから、モスリムの若いニイチャン達の心境はいかに。。

スーパーのレジはモスリム宗教団体の圧力により、モスリムのオネエチャンしか受持ちできないようで、皆さんマチコマキです。
そうは言っても、モスリムのオネエチャンもファッションは気にしているらしく、目の辺りを重点的に化粧をします。
眉毛にアイシャドウ、色をつけ、付け睫毛は1cmはあるんじゃないの?と思う位大きく、目蓋を閉じればこちらに風が来そうなくらいです。

モスリム男性は1日5回 服装を着替えお寺に行くお勤めを真面目に伝統を守って行っているようです。
戒律に厳しいここマレーシアでも、女性がファッションに気を使うのは、時代の流れで、この女性達によりモスリム教も変わっていきそうな気がします。

昨日の昼はペナン、ジョージタウンのお寺で信者が奉仕活動で作っているベジタリアン料理(無料です)を食べましたが、家庭料理の薄味で、味もバラエテイに富んでいます。
「お前は神様と相性が悪いのに、何で、信者に紛れ込んでタダで食べてくるんだ?」
って、そんな野暮は仰らないでください。
神様は私の様な餓鬼に施しするのも、お仕事のうちだそうですので。
日本の神様は囲い込みした人だけだそうですが、こちらはまだ神様も大らかな所がありそうです。

・嘘と真の はざまに生きて かわす情けは 方便か

渓斎英泉『時世美女競 東都芸子』 

女の情念を描けば英泉の右に出る物はいません。
少し瞳を離し、下唇を厚くし、猪首、猫背の描き方に特徴があります。
武士を捨て浮世絵師となり、戯曲家、女郎屋を営み、何度も焼け出されと波乱万丈の人です。
水野忠邦の天保の改革で、綱紀粛正で浮世絵、芝居、遊郭等は逼塞してしまいます。
彼は格好の生贄の一人となりました。
お上の改革とはいつの世も政治の改革ではなく市民へ向けた物の様です。



浮世絵日記 歌川国貞「江戸自慢 五百羅漢施餓鬼」
ペナンでは昨夜、9日間の九皇帝ベジタリアン祭は山車を焼いて終わりました。
祭に参加し伝統行事を行うのは若い男子ですが、私が子供時代の日本の村、町の祭りもこんな感じでした。
小正月のどんと焼きを思い出しました。
現代は有名な祭はイベント、観光化され大規模になり祭本来の意味が失われていく様な気がしています。

ペナン九皇帝祭最終日
http://www.youtube.com/watch?v=_1Tcykn_f9I


<今日の浮世絵日記>

・せがき法会に 理屈はいらぬ ちちをふくます ははこころ

歌川国貞「江戸自慢 五百羅漢施餓鬼」

この幌蚊帳は素晴らしい構図でまた、現代あれば欲しい位です。

前面の枕屏風に赤い着物は魔よけで、幌蚊帳に入り蚊から子を守ろうとし、肘をついて子供に乳を与える母の顔は慈愛に満ちています。

後ろに掛った絵は五百羅漢施餓鬼と書かれています。
浮世絵師国貞の目線は、寺で行う施餓鬼法会をシニカルに見て、母の心こそ施餓鬼だと強調しているように思います。



遊帆(UFO)を久しぶりに修理をしています。

日々怠けている私が、ここまで、やろうと思い立ったのは、1番目にシロアリ駆除、2.屋根の補強、3.スタボー側の木部補強の3点です。

シロアリ駆除には船内の食器類を全てポンツーンに置いてある箱に移動しなければなりません。
スタボー側にもセールをしまってあるので、これも一つずつ箱に入れて行きます。
何かし始めるまでが大変なのです。
屋根は竹を通し飛んで行かないように止めて行くのですが、一人の仕事は両側から出来ないので、穴を通しては反対側に行き止めるという方法で行ったり来たり、おまけに工具をしょっちゅう忘れるので、探す時間が大部分です。

サウナに行かなくても大汗をかき、シャワーを浴びながらやっています。
周りの連中は、珍しい事もあるなという事で声を掛けて通って行きます。

船の中からは、色んなものが出てきますが、殆どゴミです。
このさい思い切って整理することにしました。

私もやり始めると中々やるじゃないかと、思いましたが、今日は昼に旨い豚肉トンポーローを食べて帰ってくると眠くなり、昼からずっと寝てしまいました。
今日できる事でも、明日にしても良い事は明日にしようという怠けものですから、今夜は鴨肉を食べに行きます。
ベジタリアン祭が終わってから肉を食べすぎかな。。


フランス年金受給引上によるストライキのニュースを見て
テレビ、ラジオ、新聞のない生活でニュースは殆どはいってきませんが、インターネットで久しぶりにニュースをチェックしてみました。
数日前に、フランスの年金受給年齢引き上げで大規模なストライキが起こっているとのニュースを見ました。
60歳から62歳に引き上げて、これですから、日本の様に65歳だったらどうなる事やら。
それにしても、日本はストライキもなく60歳から65歳に引き上げスンナリいきましたね。
日本国民は教育程度が高く、何より人に目立つ事をきらうから、誰も文句も言わない大人しくて、国としては何でもやりやすいらしい。
それではもうひとつと、団塊の世代が65歳になる2年後位に、再度受給年齢65歳から70歳へ引き上げか、ハイパーインフレで実質年金受給価値を下げるか、貯金税導入か、消費税引き上げか、密室で政治屋と高級官僚がどれにしようかと秘策を練っているのかも知れません。
国民に納得させる大義名分さえ良いのができれば、マスコミを動員し世論とする例の手で行こうなんてね。
そうすると、お金持ちから頂くという大義名分で貯金税導入かな?
銀行口座実名制で既に国民の懐具合は完全に把握しているし実行しやすいと考えているかも。
そうなると、国債暴落、円暴落と一挙に大変動が起こるかな。

シロアリ軍団との死闘
シロアリ軍団との死闘が今週から続いています。
ネズミも強敵でしたが、シロアリは軍団で攻めてくるので、やはり強敵です。
長年溜まった物、何か役に立つだろうと残したもの等船内はあふれるばかりです。
まずはこれらをすべて外に出さなければ戦えません。
所が段取りが悪い、力は落ちているという有様で、シンナーの缶、船底塗料の缶をひっくり返して、ひどい臭いです。
シロアリ特別毒ガスにシンナーと臭いは強烈で、狭い船内にいると相打ちになりそうです。
そんな状況ですので、日中はサウナへ戦線離脱していました。
これだけ、やってもシロアリ軍団を殲滅させたかどうかは分かりません。
サウナに行くと大きなシロアリの巣を囲って神様扱いです。
そういえば、マレーシアの民話には、シロアリから人間を作ったという話があります。
体は白く、固まって生息し、一所懸命生きる姿は似ていなくもないなと、感心するのでした。
東南アジア地方に係留している船はシロアリに注意が必要です。


ヨーグルト味噌漬け
海外ではぬか床を作るのは大変ですので、随分前にぬか床を使わないヨーグルトと味噌で漬けものを作るという方法を知り、長年時々作っています。
私は塩分控えめというか、殆ど使わないので市販の沢庵等は塩がきついのです。
旨く出来るのは、白菜、胡瓜、大根です。
茄はこちらのは皮が固くおいしくありません。
一番は大根と葉です。
私は葉の方が好きです。
全て切って塩ををして、1時間後水洗いし絞り、ヨーグルト3:味噌1を混ぜた中につけます。
これだけですが、目をつむってポン酢で食べればまさしくぬか漬けです。
折角ペナンに来ているのですから、新漬物開発に挑戦してみようと思います。
青マンゴー、グアバなんかどうでしょうか。

オット 危ない!!
昨夜夕食を食べ終わり、麦茶でも作っておこうとガスコンロにヤカンをかけ、船内に入ってそのまま忘れてしまいました。
夜中3時頃出てみるとヤカンの水は蒸発してしまって空っぽです。
ガスをつけるとその前から離れないといい決め事をを忘れる始末です。
こんな私ですから、自分のする事は信用ならない、危ない、間違うというのを前提にしています。

プロパンは空気より重いので船内で漏れると下に溜まってある日爆発する可能性があります。
ガスタンクは船外のガスが漏れても大丈夫な所、コンロも配管も、少々の事では大事故にならないようにしてはいます。

数年前 アメリカ人ヨットマン友人ピーターは沖縄に到着しホッとしたのか、ヤカンにジャガイモをいれ湯がいていて、そのまま寝て酸欠で死亡しました。

モノハルは特に換気が重要です。
今から、冬になり寒くなるとコンロを船内で使う人もいると思いますが、くれぐれも換気にご注意を!


浮世絵日記 葛飾北斎 「諸国瀧廻リ・美濃ノ国養老ノ滝」
最近は修理モードとなり、遊帆(UFO)悪女に珍しく働かされています。
仕事の90%は前準備と掃除で、置き忘れた工具探しに時間が取られます。
遊帆(UFO)悪女を人で例えるなら、癌に罹っていて、私の腕では部分切除に修復と後治療しかできません。
あちらこちらへ転移するのは確実です。
肝臓移植の様に徹底した治療は随分お金がかかります。

・不老不死など 俺たちゃいらぬ ふたり旅する あの世まで

葛飾北斎 「諸国瀧廻リ・美濃ノ国養老ノ滝」

流れ落ちる水を太さの違う直線で、しぶきを点で、川の波、崖の岩と木、そして滝を後に背を向けるふたり、ドラマを見ている迫力があります。
私は絵と写真の違いを考えてきましたが、写実的に描けば書くほど写真に負けるという事を思うと、北斎の絵が答えの様な気がしています。



大蛸くん!ごちそうさま!
ペナンは乾季に入ったようで、雨が少なくその分暑いです。
昨日、アリが
「サムが蛸を獲った。いるか?」
大きさ30c以上はありそうですが、アリはモスリムの為、蛸は食べません。
貰って、私は船の修理に忙しく、隣の韓国船奥さんに料理を頼みました。
夜になって、蛸を湯がいて刺身にし、4人で食べましたが、新鮮で味は最高に旨かったです。
蛸を食べるのは我々4人だけで、ヨーロッパ系人も恐ろしがって見るだけです。
彼らには「蛸はうまくない」といってあります。
大蛸くんの遺影写真を取るのを忘れました。


今日の浮世絵日記

・水の冷たさ 震えて耐えて 天の変わるを 歌いまつ

喜多川歌麿「雪の曳舟(銀世界)」

水野忠邦の綱紀粛正という大義名分で天保の改革がおこなわれます。
美人浮世絵第一人者の歌麿は、春本、裏本にも優れた物を残しています。
お上の力を見せつけるには絶好の生贄です。
手鎖の刑を受け、受刑後間もなく亡くなったそうです。
色のない雪景色を船を引き川を上っていますが、自分の運命を描いたものではという気がしています。



出てくる出てくる。。
船内から出てくる出てくる色んなものが。。
よ〜し!思い切ってあげちゃお!
という事で、
・カセットラジオCD付き
・ソニーハンデイカム8mm
・DVD多数
・変圧器
・パソコン部品
・服、帽子類
等々は、ハーバーでフリーと書いておくと直ぐに無くなります。
・コールマンケロシントーチとサーチライト12Vは漁師のインさんにあげる事にした。
以上は船の半分側(スタボーサイド)だけです。
未だ、ポートサイドと寝ている下は手をつけていません。
隣のイギリス夫婦の船も同じような事をしていて、お互いポンツーンに大きなファイバーグラス箱(2mx1m)を置きそこに船内から出して整理しながら中の修理をしています。
「これ1個じゃまにあわんな!」
「未だ、2つはいるな。」
何でも船内に持ち込み、ヨットマンは何か役に立つと思って捨てきれないのです。

今日の浮世絵日記 葛飾北斎「雁と歌仙」

・未練がましい 根性捨てりゃ 身軽に飛べるさ 秋の空

北斎の肉筆画の様です。
歌仙が飛んでいく雁をみていますが、自分の身の回りについて余分なものの為に旅することもできないという心境に重ねました。
「芸術は皆の者だ。」というような意味を仰られた岡本太郎さんの言葉で考えると、浮世絵版画は絵師、彫師、刷り師と分業で芸術作品を大量に世に出したという意味でも画期的な事だったろうと思います



プラス(押す)かマイナス(引く)か?
修理の為に日本で言う金物屋(五金屋)に通っています。
道具の使い方も国によって違っていて面白いです。

まずは鋸と、鉋ですが日本は引いて切ったり削ったりしますが、外国では押して切ったり削ったりという違いがあります。

何故この違いがあるのだろうと考えてみました。
筆で字を描く時、手前に引けば線の強弱が見えて力加減ができますが、上に線を引こうとすると描いてしまった物しか見えません。
押すのは力が入れ易いが、力加減がしにくいのではというのが、私の独断的見解です。

包丁ですが、日本の包丁は一方刃ですが、海外は両刃です。
両刃包丁は野菜を切るにしても滑って切りにくい使いにくいものです。
しかし骨ごとぶつ切りにするには両刃の方が切りやすいかもしれません。

ここまで来ると、こじつけで料理の事で気がついた事があります。
日本料理(例えば漬物)は塩等振って水分とアクをマイナス(引き)旨みを凝縮させてここの材料の味を生かすというのに対して、海外料理(例えば韓国キムチ)は色んなものをプラス(加える)という料理法です。
中国料理も色んなものを加え全体の味をミックスして旨さを作るという方法です。
インド料理に至っては何種類ものハーブを加えて、そのハーモニーの良さで料理の腕が決まるようです。

では、もう一つこじつけで、日本製品(例自動車)は米国製品に比べて、マイナス(小さく)コンパクトにするのを得意としています。
こういう風に考えると、キーワードはマイナス(引く、縮める、小さくする)という事が日本文化の根本にあるような気がします。

その割に国の借金はマイナスになってないって!

う〜ん、何でかな?

以上遊帆(UFO)のちょっと怪しい独断的日本文化考察でした。

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