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47番 ツアコン(ピーピー島 バンガ−湾ツアー)になる。 2003年10月
10月3日 遊帆UFOは、9月26日から浜へ揚げて修理しているが、潮のタイミングと天気をみながら
作業を進めているので、なかなか進まない。
昨日は、1日中雨で前の道路が川に変わっていた。
タイ各地で水害の被害がでているようである。
こうなると、外にも出られないので1日中本を読んですごす。
1週間後には、甥と姪が期待に胸を膨らませてここへ来るのに天気だけが心配である。
2日間雨で、お天気と潮の合間を縫ってやっと船底プライマーを半分まで塗った。
雨の降る間はオートパイロットとドライブを補強した。
5年前にセブでフィリッピンのバンカーに船先でハルに穴をあけられた所から水が滲みだしてくる。
やはり、陸へ揚げてハルを乾燥させてからFRP修理をしなければならない。
行きつけのラーメン屋で、スジ肉入りラーメンを肴に持ち込みのマテーニーを飲んでいると、
”ハーイ、オバタ”
と、後ろで声がする。Wolfgangである。
”あんたのホテルへ行ったらおらんから、バイクで乗ってここまできたら
そのこロータリーでポリスに捕まった。
ノーヘルメットで罰金300バーツだよ。”
”あそこは、ポリスの稼ぎ場所やというのを知らんのかいな。まあ、マテイニーでも飲みな。”
”どや、仕事ははかどってるか?”
”この天気やから、ダメね。”
お互い天気が恨めしい毎日である。
9日 パトンビーチのパラダイスホテルで待っていると、不安そうな顔をして姪と甥の二人がマイクロバスから降りてくる。
”オトウ、空港からここまでマイクロバスの中で現地ガイドに怖い話一杯聞かされてきた。”
”大丈夫、これからはオトウがいるでな。どこでもガイドは他所へ行かないようにそんなこと言うんや。”
私は、親戚からもドラ娘の友達でもみんなオトウで呼ばれているのである。
”ガイドの態度は車の中と全然違う〜。”
と姪のアケ。
ガイドも今から、稼ぎ時と思ったのに、突然怪しいオッサンが出てきたのでおとなしくなってしまったらしい。
部屋に入って、チェックしていると、部屋の電話が鳴る。
ガイドから、プーケットには悪い日本人が沢山いるから気をつけてねとの、最後の御親切なアドバイスであったらしい。
香港でもツアーで行くと、ガイドがお客に最初に言って脅す言葉は、ある日本人新婚さんの奥さんが服を買うのに
試着室に入ったまま行方不明になり、何年か後売春宿で見つかったと言うようなことを言うのである。
これで、初めての人は恐ろしくて、一人で町を見学することも買い物もできなくなるのである。
”レンタカー借りてるで、まず象に乗って、シャロン湾、プーケットタウンへ行って、夕日を見て、後、
海鮮レストラン、オカマショウとスケジュール詰まってるでな。”
と、久しぶりの日本語は、二人に合わせて武生弁バージョンである。
始めて象ノリに挑戦するアケとノリは椅子にしがみついている。
慣れてくると象の首あたりに直接乗る。
その方が揺れが少なく乗り心地は良い。
象の皮膚は分厚く禿げ頭に生えている毛は針金の様に硬い。
象の禿げ頭を見ていると他人と思えなくなる。
象はユックリと足元を確かめるようにして歩いていくが、4つ足なので結構揺れるのである。
2匹ともオバチャン象で約40歳で、70年程生きるそうだから、人間象使いとは兄妹のようになるのだろう。
プーケットタウンであちらこちらでみやげ物店を見て周る。
”海外で買い物は、店の言い値の半分位から始めて値切らなあかんでな。”
どこでも同じ物がおいてあるので、2〜3軒まわって、値切ると大体の値段が分かってくるのである。
時々、日本の若いオジョウサンが、オッサン、オバサン店員を相手に電卓を叩きながら値段交渉しているのをみかけると、
頼もしいというか、恐ろしいというか 頑張りやと声をかけたくなるのである。
シャロン湾へ行き、浜に揚げている遊帆UFOと、私のレンタルームの見学である。
”この部屋キレイ。ええとこやな〜。”
隣の行きつけの鍋蓋を開ける食堂でお昼ご飯にする。
”初めての、タイ料理。アケ食べられる。うまいな〜。”
”ここは、オトウが朝、昼と食べる所でな、安いんや。3人で500円までやな。”
二人は、関空発 今日の午前1時頃の飛行機でバンコックで乗り換えてきたので、
”あんまり寝られんかった〜。”
”ほんなら、オトウの部屋でアケは寝とき。夜も寝る暇ないでな。オトウとノリは近くのサウナへ行ってくるからな。”
おとなしいノリの唯一の希望がサウナへ行きたいということなのである。
アケにサウナの写真を沢山撮って来いといわれたので、ノリは証拠写真といいながら遠慮しながら取っている。
夕日は、プーケット島最南端のホーンテック岬でみる。
今日は、曇っているのであまりきれいな夕日ではないが、見渡す限り広がるインド洋を見て、
この海の果てから、ついこの間、ヒーヒー言いながらかえってきたんやな、と改めて思い出す。
夜は、メインエベントで、海に面した海鮮レストランへ行く。
レストランの敷地は広く、入り口の方で生簀に様々な魚、蟹、海老、貝等があり、それを好きな味付けに注文するのである。
今日は、ホワイトスナッパー(ムツの仲間?)、アサリ、泥カニを注文する。
”この蟹は、ミセスか? オカマも男も嫌いやでな。”
”ハイ、お腹に卵持ってます。”
魚は、葱醤油蒸、カニは蒸しただけ、アサリはニンニクと胡椒を効かせた炒め物、後は フライドライスである。
魚は白身で身がコロコロと取れて、淡白なのに、味が良い。
ミセス蟹は、厳選した甲斐あってお腹に赤い子を一杯詰まらせている。
アサリはうまい具合に香辛料が効いていてうまい。
フライドライスは卵だけのシンプルなものを注文したのだが、タイ米の良さがでていい具合に料理されている。
二人は、ウマイ、ウマイと喜んで食べている。
酒を飲めないノリは、食べる方の担当だが、特にフライドライスがお気に召したようである。
ビールはアケの担当で、ハイネッケン大ビンを2本程軽く開けてしまった。
”もう、腹 ポンポン”
”そやろ、オトウもタイへ来てから、食べすぎで大分肥えてしもた。”
といいながら、デザートにフルーツとアイスクリームとココナツヤシを平らげる。
これで、合計1000バーツ(3000円)である。
”武生一族みんなここでこの料理食わしてやりたいな。”
次は、アケの希望のオカマショウを見にホテルの近くの店(My Way)へ行く。
店の中は前面に舞台があり、音楽がかかってジーパンにT−シャツの男が30人程、踊っている所までもいかず、
ただ腰をくねらせていて、むさくるしいだけである。
おとなしいノリはもう俯いたままで、アケもこんな筈ではないのにな、といった表情でこれまた俯き加減である。
10分程して、やっと、華やかな音楽がなり、むさくるしいだけの男達は舞台からおりて、頭に羽飾りをつけ、
顔はごつい厚塗りの化粧をした本格的オカマの登場となった。
マイクを持ち大きな口を開けて、音楽に合わせて口パクとオーバーな振りで舞台一杯踊りまわる。
最後のオカマは、前歯2本抜け、目蓋に銀拍をはりつけ睫毛は5cm程の銀拍をつけて、尚且つ大きな黒子をつけた、
日本でいうと、およね、田吾作といった感じで、体は郵便ポストかドラえもんといった感じのバケモノオカマの登場である。
迫力満点でお客から沢山のチップを貰っている。
40分程見て、3人でビールを3本注文して300バーツで、値段の割には楽しめるショーであった。
象ノリ 夕日見学
10日 バンガーアイランド巡りの為に、ホテルまで二人をピックアップに行き、そのまま船の出る桟橋へ直行である。
シャロン湾からではなく、もっと北側の港で木の桟橋が遠くまで伸びているので、ここも遠浅である。
プーケット島より北側に、石灰岩で出来た小島が沢山あり、侵食されて断崖絶壁になっており、
波の打ち寄せる所が侵食されて穴が開いて洞窟になっている。
船長30m程の2階立ての船のアンカーを降ろし、1階横の船腹からシーカヌーがでてくる。
スタッフがお客を2人ずつ乗せ島の洞窟探検である。
私は、カップルあふれなので、これまた あふれのベルギーのオニイチャンとのホモカップルである。
今日は、満月に近く、又満潮時に重なっているので、洞窟に入るのに天井がつかえるため、
カヌーの上に寝そべらなくてはならない。
洞窟の中はコウモリが天井からぶらさっがている。
何箇所か、シーカヌーで小島を回った後は、いよいよジェームスボンド島に上陸である。
”そやそや、ジェームスボンドがキレイなオネエチャンとこの島を背景にラブシーンをしとったようやな。”
と、若い二人に説明する。
奇岩をバックに記念撮影であるが、二人はいつもキチンと並んでいるので、
”もうチョット、ヒッツクなり抱き合うなりキスするなりしたらどうや。”
”そんな事できん〜。”
勿論、みやげ物屋台が並んでおり、呼び込みのオバチャンとオネエチャンはお客の手を持って離さない。
成る程、絶好のロケ地を選んだもので、その後、ボンド様のお陰で何も無いこの小島が大繁盛である。
日本だったら、ボンド大明神となり社と鳥居位建ち007饅頭等売るところである。
このツアーは、船上でのサービスも良く、お昼もうまいし、フルーツ、ソフトドリンクはしょっちゅう出してくれる。
最後は、スタッフ15人程が、歌とサンバ踊りで盛り上げてくれる。
よく太ったスタッフの一人がカツラを付け、水をいれたゴム風船を2個首からつるして胸のところへ垂らして、
踊るので、お乳がユサユサ揺れている様に見える。
インド人の子供は大きな黒目をもっと大きくして、びっくりしたような顔で見ている。
お客も参加して全員でサンバを踊り、拍手と握手で終わった所まではよかったのであるが。。。
引き潮の為に、桟橋までロングテールボートでも行けないのである。
100m程、泥に足を取られながら歩いて行進し上陸という目に会ってしまったのである。
”さて、今日は、何を食べようかな?”
等と考えていると、ホテルの日本人スタッフが
”タイすき 何かどうですか?”
等と、アドバイスしてくれるので、場所を聞きオーシャンプラザのレストランに行く。
日本でいうと、水ダキという感じである。
素材はメニューから選べるのであるが、付けダレが韓国のコチュジャン(唐辛子味噌)である。
タイ料理初心者の二人は口に合うかどうかと心配して聞くと、
”この味、辛いけど癖になりそう。”
と、おとなしいノリの満足そうな言葉に安心する。
カヌーで洞窟探検 ジェームスボンド島 スタッフのサービス
11日 今日は、シャロン湾からスピードボートでピーピー島巡りである。
小型ながら、200馬力アウトボードエンジン2機駆で、スピードは60ノット位出るようである。
お客は、10人、ギリシャ人4人とブラジル人1人、タイ人2人、日本人3人(私も日本人)という
混成部隊である。
ギリシャの若いカップルは、オネエチャンがビキニ&T−バックで大きなお乳と、お尻をプルンプルンさせているので、
遥かに年上なのにアケは、子供に見られているようである。
”アケ、おのネエチャンどうも下の毛は剃ってるみたいやな。”
裸同然のナイスボデイを見て喜びを噛み締めながらなも、目のやり場に困る私は全くスケベジジイ状態である。
ピーピーレイ島の湾で最初のシュノーケリングである。
先に海に入ったアケが 体の周りに沢山の小魚が寄ってきて、キャーキャー喚いてパニックになっている。
ここは、魚を獲付けしているので、パンを貰えると思って小魚が沢山集まってくるのである。
”魚より、アケの方が怖いな。”
と、一応無視態勢でノリと私は自分のシュノーケリング準備をする。
パンを持って水中に入ると、大量の小魚が手の平までつつきながら食べにくる。
15分程して浜へあがると、アケが
”トイレは無いの?”
と、聞く。
”何で、海でしてこんかった?”
”海では、でんもん。”
”オトウなんか、海の中でも、立ったままでも、寝てても、ズボンはいたままでもどこでも出るぞ。”
と、自慢(?)し、且つ励まして、海へ追いやるが結局、
”でん〜。”
今回は、船のトイレですることになったが、最後は私の指導が効いて海でも出来る特殊技能を身につけたようである。
湾を回り、ピーピードン島の方で、モンキーにバナナをやるイベントがある。
ここでもサルは獲付けされているので、木の枝でチャンと待っているのである。
トレーニングが行き届いているのか、バナナを投げると、ナイスキャッチするのである。
ここは、前回遊帆UFOできた時は、猛烈な下痢の為脱水状態で意識も朦朧としていたので良い印象は無く、、
又、いつも、自分一人出たとこ勝負旅だが、今回の様に、団体ツアーで色んな体験をさせてくれる、
オプショナルツアーに参加するのもいいもんだと考え直した次第である。
お昼は、ピーピードン島で、レストランで円卓を囲んで食事である。
全員簡単に自己紹介をする。
”2004年はギリシャオリンピックです。”
と、陽気なギリシャのオバサン。
”私は、船の上ばかりで新聞も読まんから知らんかった。ゴメンな。”
彼らは次は日本へ行きたいそうである。
きっと、日本の物価高に驚いて帰ることになるだろう。
心配した、天気も何とか持って、タイ初心者の二人には、何よりラッキーなことであった。
明日から、バンコック、アユタヤと二人だけの観光旅行になるのだが、日本に帰ったときに
失敗談を聞くのが楽しみである。
ピーピーレイ島(海の中でトイレ挑戦中) 同グループのギリシャ娘のT−バック パンに寄ってくる小魚
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