目次に戻る
前のページ(45番プータロージジイになる)に戻る

            46番 プーケットに戻る ベジタリアン祭り 2003年9月13日〜30日

9月13日 バンコック空港で国際線から国内線の乗り継ぎである。
     この空港は、ヨーロッパ、中近東、アジア等、世界空港路線の十字路にあたっているので、世界中の人間がいる。
     空港は関西空港よりも広く、施設も充実している。
     免税店は勿論、レストラン、本屋、コンビニ、インターネット、レンタルーム、シャワー室、サウナ、散髪、ビューテイサロン、
     マッサージまであり、24時間営業で外に出なくても不便な事は無い。
     というのは、無宗教の私の事で、モスリムの人達は、祈りの時間になると、床にマットを敷いた子供の遊び場所にきて、
     方向を定めて、ひざまずき頭を擦りつけてお祈りをしている。
     食事も豚肉使用メニューは食べる事ができないから、うっかりと一般レストランでは注文出来ないのかもしれない。
     その内に、この空港にもモスリムの国にあるような、お祈り部屋とモスリムの為のお祓い済みモスリムレストランができるだろう。
     免税店は、英語、中国語、日本語に加えて、最近はハングル文字(韓国)が多く見られるようになった。
     韓国人も日本人似て、土産物買い好き民族である。
     韓国農協ツアー団体らしきアジョシ アズマ(オッチャン、オバチャン)&ハネムーン団体ツアーらしき若者カップルが
     大きな袋を2〜3個は持って買い物を楽しんでいる。
     私は欲しいものは何も無く、中国月餅饅頭(小豆餡にハスノミ&塩漬け卵入り)を1つ買って食べる。
     4時間程の時間待ちだが退屈する事はないのである。
     
  14日 プーケットは未だ雨季なのであろう時々雨が激しく降る。
     ホッタラカシの遊帆UFOは泥棒に入られる事もなく無事で待っていてくれた。
     中は湿気が多いため船内あちらこちらに埃が付いたようにカビが生えている。
     今日から又掃除と修理である。
     10月の始めに姪と甥が夫婦連れ立ってプーケットへ観光旅行に来ることになっている。
     レンタカーを借りて、島内見学&海鮮料理を食べに行き、ピーピー島でシュノーケリングを予定している。
     それまで1ヶ月間、前回と同じレンタルームを借りる。
     レンタルーム兼食堂の女主人は、顔馴染のためか、”オバタ、オバタ”と親切にしてくれる。
     ここは、船から近いところにあり、部屋も広く前にも立派なベランダが付いていて大変住み心地のよい所である。
     下の食堂は、前をカウンターに改装してスタンドバーのようにしている。
     ”ネエチャン。レストランからバーに変更か?”
     ”いえ、レストランも未だしてるから、夜は飲んで行ってね。”
     ”ここのバーはチョット年齢層が高そうやけど、客は来るかね。”
     ”大丈夫、私の魅力でお客は来るよ。”
     儲かることならレストランでもバーでもこだわらないという感じである。
     御近所も数軒ネオンがチラチラとしたスタンドバーがオープンされた所をみると、多少 肺炎と戦争騒ぎが治まり
     観光客が戻ってきたのかもしれない。

     ここChalong に、オーストラリア人経営のセールメーカーがある。
     私は、今まで香港Lee Sail で注文していたが、彼の宣伝文句によると Lee Sailより品質もよく値段も安いということである。
     話半分にしても、日本で発注する価格の半分から3分の1位の価格であろう。
     その他、ブロック ワイアー ファーアーラー、シート、ロープ類等も販売しているしスッエッデイング加工も引き受けてくれる。
     彼の話は、輸入品に関しては、タイで関税40%位取られているので安くないとの事である。
     その為、マレーシア辺りで必要なリギンを輸入して持って来てマストを立てれば良いという最もなアドバイスである。
     彼の宣伝文句はタイでできるもの(セール、シート類、オーニング、セールカバー等)が売り物のようである。
     特に良いと思ったのは、メシュになったオーニングで、風を通し且つ非常に丈夫な素材でできている。
     必要な方は下記に住所、メール等を書いておきます。

     Rolly Tasker Sails (Thailand) Co.,Ltd
     General Manager:Michael R.. Tasker
     26/2 Chaofa Road Chalong, Phuket Island 83130,Thailand
     Phone:(66-76)280-347 Fax:(66-76)280-348
     E-mail: rolly@phuket.ksc.co.th   http://www.rollytasker.com

     Lee Sails Co., Ltd.  (HongKong)
     E-mail: sales@leesails.com
     General Manager: Mrs.Fung

     マネージャーと交渉の結果、30ftサイズ船、マストの長さ12m 8オンスダクロンにサンブレラ加工をした大体の価格は、
     メインセールフット3m US$600  ジブセールフット4m US$600 ジェノアフット5.8m US$900
     
     10mmシートで@$4.30/m  12mmシートで@$5.10/m
     8mmstainless wire 1x19 @$3.15/m
      4mm frexible stainless wire 7x19 4mm @$1.50
     フレキシブルワイヤーとシートスプライス加工@$30
     運送はDHL 可能
     支払いはカード 或は 銀行送金でよいとの事であった。

     数日後、日本のヨット仲間がRolly Tasker Sail に、見積もり価格を求めた所、上記マネージャーの大まかな公示価格より
     高い価格が提供されたので、Lee Sail と 天秤にかけて交渉するようにアドバイスをした。
     私も、HP で公示価格を記載している責任上、再度 マネージャーと掛け合い今後、この様な事であれば、
     HP記載を取り消す意向を申し入れる積りである。
     彼からの連絡で、価格だけならLee Sailが安いのが明らかになった。

     今回、日本出発前に、カミサマがカメラ付き携帯電話を買ったので、メールのやり取りの仕方を根気よく教えた甲斐があって
     インターネットからメールで連絡できるようになった。
     インターネットカフェへは、ほぼ毎日チェックしにいくので、国際電話をかけるよりずーっと割安で意思も通じるようになった。
     話をするより、文章をつくるとなると頭の中で何度か考え直すためか、喋るより、メールのほうがよく喋っている感じである。
     もうすぐ、海外でもインターネットを経由して携帯メール同士で連絡取れるようになるだろう。
     海でも沿岸部は使用可能であるので、貨物船とか客船とか飛行機に世界共通中継用アンテナを積み込んで走ってくれたら
     もっと広い範囲をカバー出来ないのだろうか?
     船に乗っている人も結構いると思うのだが。。。

     プーケットで、船を揚げて船底塗装&修理が出来るところは、3箇所である。
     北の方から、ヘブンヨットクラブ、 ポートラグーン、 ラタナチャイ スリップウェイであるが、3番目が一番安い。
     
     ラタナチャイ:
     UFOの場合 37ft カタマラン の為 15%UP
     Haul Out-In 37' x 220B= 8,140Bx 15% =9,361B
     Dry Dock per day 37' x12B =444B x 15%=511B
     Pressure pump cleaning (Below water line) 29B/ft
     ステンレス溶接、その他、加工機械は揃っている。
     というような 見積もり価格である。
     場所は、プーケットタウンの北はずれ( KO TAPHAONOI )、シャロン湾より一つ北側の湾で遠浅の為 水路を掘ってある。
     ここに、3年前フィリッピン、ボンボノンで一緒にアンカーを降ろしていたWolfgang”Moyana”が上架して修理していた。
     
     Ratanachai Slipway Co., Ltd.
     007-52-570N, 098-24-921E
     Tel:076-252852,210246-7 Fax:076-2112443

     レンタルームの下の食堂がバーに改装されたのは知っていたが、毎晩デイスコの音楽が夜遅くまで響いてくるので、
     女主人にクレームをつけにいく。
     彼女は、謝って他の部屋に変更してもいい、との事である。
     今晩は、久しぶりで遊帆UFOで寝る事にした。
     海の上は静かで寝心地が良い。
     これで雨が降らなくて、電気、ガス、水の心配さえなければ遊帆UFOが一番である。
     
     毎日、雨の降らない日は無い。
     11月一杯は、雨季の為こんな天気が続くだろう。
     琵琶湖で21ftヨットが転覆事故を起こしたらしく。私の友人も何人か捜索活動に参加したようである。
     琵琶湖の北湖側で12人乗っていて、方向転換のときに風を受けて転覆し、その後一度は復元したものの、
     浸水し沈没し、多数が行方不明で、既に死亡確認された人もあるらしい。
     私も、遊帆UFOに乗る前に、練習のために、北湖へ行き、風の強い日を選んで船を出して練習をした。
     船にもよるが転覆するには、風に加えて、横からの巻き波に会うとモノハル艇の船はキールが水面に直角に
     刺さった状態のため、波頭から滑り落ちるという事がないために転覆する可能性が大きいのである。
     又、モノハル艇はキールのバランスによって、復元するが、ハッチが開いていると、水が浸水して
     沈没してしまうのかも知れない。
     今回の状況を想像すると、12人全員が風上側に座っていて、バランスを取りながら走っていて、舵を切った途端に、
     反対舷側から横波を受けるのに加えて、移動する間も無く片舷に重心が移って転覆したように思える。
     12人の重量は、約600kgs位あるとすると、 21ftの船のキールバランスに影響するのかも知れない。
     遊帆UFOの場合でも、時化の時方向転換が一番危ない瞬間であるのは、何度も経験している。

     久しぶりに雨が上がり、満潮時刻も昼頃と絶好の条件なので、シャロン湾にビーチングをした。
     3ヶ月程前に、貝を落としたのに、もう結構ついている。
     琵琶湖の糊族の末裔はもう8年間位湖にうかんだままであるが、何時帰ってエンジンをかけても1発でかかるし
     蜘蛛の巣掃除位で、手のかからない良い船である。
     もっともこの頃は、宴会船になり走るのはすっかり忘れてしまっている。
     ここシャロン湾は波も無く、なだらかな遠浅で遊帆UFOには願ってもない場所である。
     いつもの様に一人でやっていると、向かえの椰子で出来た小屋で、タイ人3人が酒を飲みながら手招きをしている。
     ”私ら、あんたの船底掃除やらしてくれ”
     ”いくら?”
     酔っていているのか、言葉が分からないのかはっきりしないので、自分でやるから必要ないと断った。
     2時間程、ガリガリやって終わってしまった。
     明日は、塗料を買いにプーケットタウンまで行き、ついでに船底塗装もやってしまう積りである。

     10月に姪と甥夫婦が、プーケットに来るので、朝飯友達の旅行社に ピーピー島(Phi Phi Island)と
     パングァー湾(Phang nga Bay)のツアーを聞いてみる。
     このツアーは、姪のたっての希望なので2日間の日程がハードスケジュールになってしまった。
     ピーピー島は遊帆UFOで行ったことがあり、豆の大きな奴を食べて強烈な下痢をして頭がボーっとしながら
     ユキさんと福井さんがシュノーケリングをするのに、つきあったのである。
     ロングテイルボートの上で腹をさすり島へ上がって草叢で、野糞をしたりしながら、恨めしげに眺めていたのを思い出す。
     バンガー湾はジェームスボンド 007の撮影があったところらしくて、海図で調べてみると、成る程、緯度007を表示していた。

         Phuket Siam Seacanoe Ltd.
 
          10日:ピーピー島ツアー 2500バーツ(=約7500円)/人
          07:30-08:15 ホテルへ向かえの車か、 ミニバス到着
          09:30     シャロン湾桟橋からスピードボートボートで Khai Nok Island(ピーピー島の北側に
                  ある小さな島)スイミング、スノーケリング、魚の餌やり,等
          10:30    Khai Nok Island 出発 
          11:15    ピーピー島到着       スノーケリング、リラックス、モンキービーチ、Camel Rock(Nui Bay)等
          12:30     ピーピー島の北端にあるビーチサイドレストランで昼食
          13:30    Hin Klang(The Bamboo Island Area)で、スノーケリングとサンゴ礁とカラフルな魚を見る。
          14:50    ピーピーレイ島(ピーピー島の南にある)へバイキングコーブとLo Samah Bay Maya Bay
                  で、スノーケリング探検
          15:30   ピーピーレイ島出発
          16:30    シャロン湾到着、ホテルへ(約40分) 

          このツアーに含まれるもの  
                 往復ホテルまでのミニバス  マスク、スノーケリング、ライフジャケット
                 スピードボート料金&保険代  ソフトドリンク、果物  昼食  ツアーガイド
          用意するもの  
                 水着、 T-シャツ(日差しがきつい)、サンブロック、タオル、日よけ帽子、サングラス、カメラ

          11日 パンガー湾(Phang Nga Bay)ツアー 1800バーツ(=約5400円/人)
           07:30-08:15 ホテルへ向かえの車か、ミニバス到着
           09:30     シャロン湾桟橋からクルーザーボートでパンガー湾へ
          10:20     パンガー湾到着後、シーカヌーで 海のトンネル 奇岩 サンゴ礁を見て回る
          12:30    クルーザーボートでユックリとラワ島(Lawa Island)へ向かいながら
                  ブッフェスタイル(食べ放題)で昼食
          13:30    ラワ島で、スイミング、カヌーでパドリング、昼寝
          15:00    プーケットへ戻る。 ホテルまで送って4時頃着  

         料金は下記の全て含まれる   
                 ホテル送迎   クルーザーボート&カヌー料金   保険   船上での ソフトドリンク、
                 コーヒー、お茶ー ブッフェ昼飯   スナック、ココナッツ 季節の果物 等   エスコートガイド
                 海洋公園入場料全て

         値切り交渉の結果 10日パンガー湾 2,000バーツを1,500バーツ/人   
                     11日ピーピー島 2,500バーツを1,800バーツ/人
         と言うことになったが、後は 天気の神様次第である。

     船底塗料Jorton 2,200bht/ガロン  プライマー  alminium用 primer paint sand paper その他をプーケットタウンで買う。
     drive補強用stainless 3mmを切ってもらって、帰りにワークショップで加工に出す。
     遊帆UFOの前にいる椰子の木小屋のオッサンに明日から仕事の手伝いを100bht/時間で契約する。
     仕事は干潮時だけなので27日は 午後4時から3時間労働ということにする。
     が、次の日、例の酒飲みのオッサンが150bht/時間にしてくれと言いに来たので、酒を飲みながら仕事を
     してもらいたくないので断る。

     来月のピーピー島&パンガー湾巡りツアーの予約をしに旅行社に行くとオバサンが
     ”あんた、プーケットタウンでベジタリアン フェステイバル(菜食主義祭り)が9月26から〜10月5日まで、
      朝7時から、行列あるのを知ってるか?”
     と言ってパフレットをくれる。
     9月26日は、中国暦(太陰暦)の新月にあたり 10月10日が満月になる。
     菜食により病気は治り、月の満ちるのと共に健康と幸運がくる様にお祈りをすると言う事らしい。
     朝7時 ラタナチャイでMoyanaを修理中の Wolfgangを起こして、祭りを見に行く。
     狭い町の道路両側にずらりと菜食専門屋台が黄色いと赤の旗を立てて並んでいる。
     お寺の中は九皇帝(日本の7福神みたいな神様?)が祭ってあり、神様はそれぞれ専門分野があるようで、
     お金が沢山欲しい信者はその担当の神様に、又 健康が欲しい信者はその担当の神様にお願いするようになっている。
     横の厨房の大釜では、野菜を料理し、信者にふるまっている。
     信者は自分の3〜4段重ね弁当箱を持ってきて入れてもらって持ち帰る。
     境内では、神がかりしたようなオバサンがいて、音楽と共に突然踊りだしたりする。
     また、中国映画で出てくるような金箔の服をきたオバサンがいて、信者が怪我をしたところやら、体の痛いところを
     いうと、何か呪文のようなものを唱えて治してくれる。
     この光景をオーストリア人のWolfgangは、珍しそうに見入っている。
     ”オバタ、口に刀を上下刺した人の行列があるらしいぜ”
     ”私は、インドでそんな奴を見た。”
     後ろで大音響と共に爆竹がなりだし、目当ての口刀串刺し人間は待ってもなかなか出てこないので諦めて帰る。
     昔から華僑が沢山タイに移住し同化してしまっているが、この祭りをみると現実的で現世利益を好む中国人文化が
     そのまま残っているのが分かるのである。
           
     九皇帝が祭ってあるお寺          境内で突然踊りだすオバサン     呪文を唱え病気を治してくれるオバサン

     数日後、プーケットタウンに遊帆UFOの部品を買いに行くと、串刺し人間の行進に出くわした。
     各家の前にお供え物が出してあり、串刺し人間が体を震わせ涎をたらしながら、お祓いをしている様子である。
     信者は有難くお受けして手を合わせてお祈りをしている。
     串刺し人間は、一人二人ではなく、また 老若男女の別無く色んな人が頬にそれぞれ得意のものを刺している。
     ある人はバーベキューの串のようであったり、牛の角のような物であったり、刀であったりする。
     血が流れたり、涎が流れたりするのを、介添え人が水を湿らせた布で抜けなくならないように湿らせている。
     こんなに沢山の人が頬ぺたに穴の開いた人がいたんだろうかと不思議に思う。
     大量の爆竹が悪魔払いの為点火され、上半身裸のオッサンが手に持って火の粉を浴びながらニコニコ顔で行進してくる。
     ”これ見よ。ワシ等、少しも熱くないもんね。”
     と、言っている感じである。
     この祭りは、何だかショーのようで少しグロテスクなところがあり、意味不明な所がある。
     勿論、宗教とは意味不明、神秘が売り物なのかもしれないが。。。
        
      串刺し人間                 爆竹を手に持っているオッサン

     
次のページ(47番 ツアコン(ピーピー島 バンガー湾ツアー)になる。)へ行く