目次に戻る
前のページ(64番乾季に出港近づく)

     65番ランカウイで酒を買い込む&雪風ベトナム情報 11月8日〜11月30日

11月8日 午前7時ジョージタウンを出港しようとすると、セルモーターが回らない。
     昨日、冷蔵庫のスイッチを入れたまま忘れていたらしい。
     ソーラー充電を待って、9時にアンカーを揚げる。
     何度も通いなれたルートなので今回もノンストップで、ランカウイ、テラガハーバーまで行く。
     風は平均して北東で、幸いな事に雷と強風をともなった嵐は来ない。
     夜、11時テラガハーバーの前ウオ-ターブレイクの中に入り減速するとエンジンが
     急に止まってしまった。
     それまで、何度もエンストしそうになっていたので、途中で止まらなくて幸いであった。
     燃料フィルターの汚れであろう。
     御飯は炊きながら走ってきて、途中で熱い御飯に生卵掛けをかき込んでいたが、
     アンカーを降ろして、もう一度鯖缶で食べ直し寝たのであった。

 9日  朝起きてみると、前にウオルフガン(MOYANA)がアンカーを揚げている。
     ”ウオルフガン、久しぶり、元気にしてた?何処へ行く?”
     ”オバタ、今から、タルタオ、ロックノック ピーピー島を回って、1週間後位に
      シャロン湾に入るよ。”
     ”私も、酒を買い込んだら大体同じコースでシャロン湾へ行く。”
     ”それじゃ、シャロン湾で会おう。”
     デインギーでテラガハーバーへ行くと、大きな体のロンダが手を広げて握手しに来る。
     ”オバタ、久しぶり、待っていたよ。 Issacは未だ来ない? 来たらペナンみたいに
      パーテイしようよ。”
     ”OK。Issaacも多分来週中には来るだろうから、ドンチャン騒ぎパーテイしような。”
     次にLha3金田夫妻に会いに行く。
     二人とも変わりなく元気そうで、エンジンの調子が悪いらしくメンテナンスに
     忙しそうな所も相変わらずである。
     私も、昨日のエンジンの調子が悪かったので、燃料フィルターを外し、エンジン
     オイルフィルターも外し、インペラーのホースから水漏れしているのを直す。
     ついでに、V-Beltも取り替える。
     スペアーパーツが必要で町まで買いに行かなければならないので、
     レンタバイク屋へ借りに行く。
     ここランカウイはペナンより物価は何でも高く、ペナンで10rmのレンタバイクが
     ここでは1日38rmから40rmという。
     午前10時から午後5時までの間、借りると言う事で15rmに値切って交渉をマトメ、
     明日借りに来るからといって帰るのである。
     夜、金田夫妻とハーバーに新しくオープンした中華料理店に食べに行くが
     店は閉まっている。
     他にも新しくロシア料理、インド料理、タイ料理、等が出来ているがどこもペナンより
     5割高であり、短期間で儲けて後は知らんもんねといった感じである。
     結局、イタリアンに入って、ピザ1つとスパゲッテイ1つとビール3杯で64rmである。
     インターネットカフェがペナンで1時間2rmがここでは30分3rmする。
     ペナンのジャバタンハーバーは1ヶ月270rmであったが、ここテラガハーバーに
     繋留すると1ヶ月400rm程するらしい。
     マレーシア前マハテイールの故郷と言う事で、マレー優先、モスリム優先で
     何かと、政府が資金をつぎ込んでいるのだろう、道路とか建物は立派であるが、
     それを利用して商売するノウハウは無い様である。
     その為、大きなホテルとリゾートは外国資本を利用してあちらこちらに建っている。
     勿論、そこは海外標準価格で、私は門の中に入る事さえ出来ない。
     私の様な、貧乏ヨッテイーは、生活し難い所なので、酒を買い込んだら、タイへ
     向かって出港する積りである。

10日 昨日、話をつけたレンタバイクを借りて、金田さんと2人でクアタウン迄、スペアパーツを買いに行く。
     ステーキが置いてあったので買い、野菜は町外れの野菜問屋で新鮮なものが手に入った。
     燃料フィルター、エンジンオイルフィルター、V-beltを交換しエンジンを始動させてみるが
     かからない。
     噴射ノズル手前の燃料パイプを外し、再度セルモーターを回して燃料が噴射されているか見る。
     1番だけ噴射され2,3番は噴射されていない。
     高圧燃料ポンプの所でゴミ詰まりである。
     明日にこの仕事を延ばして、シャワーを浴びて、Lha3の所で夕食ステーキ&ヤキソバパーテイである。
     丁度、リーバックマリーナから雪風の久保さんももどってきているので4人でパーテイである。
     雪風は香港 マカオ ベトナム経由でこちらに来たので、ベトナムのヨットでの入国事情を聞く。
     久保さんは31歳の好青年である。
     彼の話だと、ベトナムは5年前にヨットにも港が開放されたと言う情報により、入国したのだが、
     こじれて、日本大使館職員を呼び、手続料2万円程を支払い、その後何箇所か寄ってきたらしい。
     入国した後は、ベトナムでは親切にされたとの事である。
     結局、ヨットで入国できない事はないが、相当のエネルギーを使わなければならない覚悟がいる様である。
     ヨッテイーにとって行けない国が出来るのは残念な事である。

 11日 インジェクションポンプの修理にかかるが、エンジンルームのスペースが無く、
     スパナが回らない。
     ロンダとマーテインがインジェクションポンプを修理に出した事があるとの事を金田さんから聞く。
     彼らに相談するとインジェクションポンプ丸ごとエンジンから外せば修理は簡単だとの事である。
     丸ごと外すとなると、4隅の小さいボルトをはずすのと、スクリュー2個外せば外せそうである。
     しかし基本的に燃料をフィルターに掛けて綺麗にするという問題が解決していない。
     レンタバイクで、燃料フィルターを買いにクアタウン迄行く。
     今、考慮中なのが、スペア燃料タンクを作って、メインタンクとの間に燃料フィルターを入れ、
     ポンプで循環させて綺麗にしたものをエンジンの燃料ポンプに繋ぐ方法である。
     何故こんな事をするかというと、燃料ポンプの手前で燃料フィルターを入れれば、事は簡単であるが、
     レーカーとか各種メーカーを試してみたが、何故かエアーが入ってくるのである。
     自分流の解釈では、燃料タンクがエンジンより低く、吸い揚げる力に対する反発力の為
     エアーが噛みやすいと考えている
     明日はついでにインジェクションバルブも外して一緒にメンテナンスする積りである。
     クアのロイヤルヨットハーバーにIssacが昨日到着したらしいので会いに行く。
     同じハーバーにCimaの松島さんがいたので初めて挨拶を交わす。
     明日から日本に一時帰国予定と言うお話であった。
     Issacはエンジンコントローラーの調子が悪くこのハーバーに入ったそうだが、係留費が
     600rm程するらしく、おまけに陸電を使うのに1日5rmいるそうである。
     ロイヤルヨットクラブは高級ヨットクラブで私の様な貧乏ヨッテイの係留できるところではない。
     いまのテラガハーバーでさえ、外のただの所にアンカーを降ろし、シャワーを浴びに
     ハーバーのシャワールームを利用させてもらうという厚かましさである。

 12日 インジェクションバルブアッセンブリーの下の予備燃焼室のチェインバーが抜けないので
     金田さんに相談に行く。
     彼は前に自分のエンジンの同じチェインバーを指で蓋をしてエンジンをターンイングしたとき
     突き指をした経験があるとの話である。
     遊帆UFOに来てもらって、今度は指ではなく竹棒で穴を塞いでエンジンンをターンイングして
     圧力ではずそうという考えである。
     布でカバーもせず直接抑えていたのでエンジンをターニングした所、ぬけると同時に竹の棒に沿って
     飛び出し彼の右手人差し指と親指を強打したのである。
     見る見る内に血は噴出す。
     直に、マキロンで洗い包帯で縛り、タクシーを呼んで病院の救急治療室に駆け込む。
     人差し指は、6針の縫合で骨にも影響は無く傷もそんなに深くなさそうなので問題無い。
     親指は骨折している様子という事でレントゲンを取る事になった。
     レントゲン写真を見ると、親指の第一関節の先でヒビが入っているらしい。
     先程、人差し指を縫合した医者に代わって、若い女医が、
     ”これから骨折している所から先を切り落とす手術をします。”
     私達二人は、慌てて止めにかかる。
     ”先生、それならこのまま添え木だけして固めて置いてください。”
     幸いな事に金田さんのお友達で外科の先生がここランカウイへ遊びに来られるので、
     その先生に診てもらってからにしようと言う事で強力に反対する。
     そのうちに又違う先生が来て、傷口とレントゲンを見て、親指の両腹を爪の上に
     掛け結んで縫合手術をしてくれる。
     そして下側に添え木をして動かないように固定してくれる。
     これなら、納得できる治療である。
     この手術をしてくれた先生は、
     ”あの先生にかかっていたら、親指の先半分無くしていたよ。
      だけど、彼女は私のボスなんだ。”
     危ない所であった。
     全く、とんでもない女医である。
     もし指の半分でも無くしていたら、私の指をつけておいて欲しい位であった。
     この教訓を生かし、今度は円錐形の木をインジェクションの少し短い目に切り、
     その上に布で覆い、その上からインジェクションのフランジを上からナットで閉めてエンジンを
     ターニングさせると、チインバーから上のパーツは全部取れた。
     このパーツを交換し、インジェクションバルブの掃除と調整をして貰えば充分と考える事にした。
     明日は、インジェクションポンプの取り外しにかかるが、ベースの4つのナットを外すだけで
     ポンプアセンブリが抜けるのか不安である。
     未だシインジェクションポンプステム全てが掴めていないのである。

 13日 インジェクションポンプを取り付けているナット4個が作業スペースの無い場所である。
     スパナを細かく動かし何とかナット4個をはずす事が出来た。
     途中5mm位迄、浮き上がって取れそうになるが、そこからは何か未だ引っかかっている様で
     抜けない。
     もう一度パーツリストを見ても、これ以上止めてあるもの繋がっているものは無さそうである。
     こうなると、誰かはずした経験のあるヨッテイを探して、意見を聞くより無いので一旦中止する。
     夕方になって、ポテトサラダを作り、Lha3で金田夫妻と久保さんで夕食パーテイである。
     金田さんはヤキソバを作ってくれるが、右手を使えないので私が焼く事にする。
     ”何か、右手が必要な時は言うて貰ったらするからね。”
     ”左手やと箸がうまく使えんのでいらつくな。外人の気持ち分かるわ。”
     ”口だけ開けて貰ったら、私が箸で口の中に入れたるぜ。”
     右手親指はもう心配ないので、からかう事にする。
     隣のイタリア人は右手人差し指を骨まで切って、下にぶら下がっていたのを、
     又、ひっつけて元に戻ったといって見せてくれる。
     少し、指先の感覚が鈍っているけど全く問題無いよとの事である。
     今日は血圧を下げる為自転車で20分程かけて近くの滝まで行く。
     道は木に覆われていて木陰になっていて涼しく、自動車も少ないので快適である。
     途中、沢山のサルに出会う。
     日本ザルに似ていて小型で群れを作っていて、ボスザルらしきのが、私を見て、
     歯を見せたので、これは笑っているのではなく、怒っているほうだろう。
     前にも来たこの滝は大きくはないが、滝壺で体を沈める事は出来る。
     水を見たら入りたくなる私は、パンツをはいたまま体を水中に浮かす。
     水は、少しブラウン色で飲むと甘い。
     ここは運動するのに良いコースなので、できるだけ毎日来ようと考えている。

 15日 オーストラリア人ヨッテイでカンタンで出会ったSherly と Terryの事は時々ホームページに
     書いたが、奥さんのSherlyが癌で3月に亡くなり、Terryも悲しみで落ち込んでいたのから
     心の整理が出来たのか、船に戻ってきてメールを送ってきてくれた。
     今、クアの方でアンカーリングをしているらしく、私はテラガの方でエンジントラブルでアンカー
     を、おろしていると返事を出すと、明日午後にこちらへ船で来るという。
     私は昼から、予備タンク設置の為の部品と食料を買いにクアの方へレンタバイクで行く。
     途中、良い匂いのするパン屋があったので、食パンを2山買って、1つはIssacの所へ持っていく。
     珍しく、留守で前のヨッテイに聞くと、今日は朝から出かけていったよ、との事である。
     パンだけ入り口に引っ掛けて置いて帰る。
     金田さんからキムチを注文されているので、野菜を買い持って帰って、白菜のキムチと
     葱のキムチの2つを作り分ける事にする。
     若い久保さんは、御飯はめったに炊かないんです、との事で冷蔵庫もないらしいので
     配給中止にする。
     金田さんの指は全く順調に治って行っている様で安心している。
    
 16日 金田さんのお友達の久保田夫妻がこちらのハーバーに来られたので、ついでに遊帆UFOへ
     来ていただいて、簡単なサンドウイッチで昼食をしてもらう。
     雪風の久保さんも遊帆UFOは初めて来てもらう。
     キャビンを板張りにしてお座敷にし、その奥を蚊帳をつって日本スタイルに変更している船を
     見るのは珍しい事と思う。
     昼から、Terryが来るはずだと沖合いを見ても船の姿は見えない。
     5時頃、体を洗いにシャワールームへ行くと、誰かが私を呼んでいる。
     ”オバタ、ここへ2時に来て、あなたを長い間探したよ。”
     ”ハイ、テリー本当に久しぶりシェリーは気の毒だったね。とりあえず遊帆UFOに戻って一杯やろう。”
     船でマルガリータを2杯程飲んで、近くのリゾートへ食事に行く。
     このリゾートもテリーにとってはシェリーとの思い出の場所らしく、無理に明るく振舞うのが何とも
     いじらしいのである。
     二人で食事をしバーで飲んで、デインギーで真っ暗な海を20分掛けて戻る。
     私もテリーの気持ちはよく理解できるが、慰める言葉は必要ないと思っている。
     海に戻ってくればもう大丈夫である。
     それにしても痩せて随分やつれている感じはするのである。
     ”テリー、クアから船をこちらに持ってきてここでアンカーリングしなさい。
      ここなら、ロンダとマーテイン(オーストラリア)という、気の良い夫婦がいるし彼らといつもパーテイ
      やってるから。”
     けれど、細かいニュアンスの日本語が通じないのがもどかしいのである。

 17日 最近は雪風の久保さんが無線Lanでインターネットに接続すると言う方法でハーバーオフィースの
     2階のクーラーの効いた所でやっているので、時々 メールのチェックとホームページの
     更新をさせて貰っている。
     最近は、日本からのメールはカミサマから1日おき位に1通入る程度で日本との繋がりはドンドンと
     薄くなっていく。
     プーケットにいるユキさんに電話をしても通じないので心配しているが連絡の取り様がない。
     珍しく、SylviaとBill(Viverce3 オーストラリア)からメールが入っている。
     彼らは、今クアラルンプールにいて、もう直私を捕まえるからどこにいるか教えてくれとのことである。
     PenangのJabtan Yacht Harbor と ここテラガのポヂションを返事する。
     ここにシルビアが来れば、ロンダといい勝負でモット楽しい事になるだろう。

 19日 ここテラガヨットハーバーにはガソリンスタンド兼スーパーがあり、飲み物、お菓子類は売っているが
     野菜、肉等は売っていない。
     他には、高くて美味しくないマレーレストランと両替屋と銀行ATMがあり、2階はいつもお客のいない
     土産物売り場とケンタッキーフライドチキンとビジネスセンターがあるだけである。
     その為、中国系の八百屋の夫婦が毎週金曜日になると、野菜、肉、等を自動車につんで売りにくる。
     私は、バイクを借りた時に、一緒に買ってくるので不自由はないがヨッテイーには便利である。
     魚は、アンカーを降ろしている前の浜が漁師の水揚げ場になっているので、漁船が戻ってくると、
     覗きに行く。
     昨日も、買いに行くと、25cm位のアジがあった。
     10rmで8匹もらって、3匹は開いて塩をつけ干し、残りをさばいて皮を剥ぎ、酢と昆布でしめる。
     アジの棒寿司風にするが、アジの油ののりがあまりよくない。
     モスリムのラマダンが終わりハリラヤとかいうお正月の様な休日も終って、やっと 漁師も仕事を
     始めたようで、これからはここで魚や蝦が手に入るかもしれない。
     ハーバーのジェッテイに揚がると、金田さんが待っていてくれて、シルビアとビルからの電話の
     メッセージを伝えてくれる。
     ”彼らは、今日の11時着ペナンからのフェリーでランカウイへ到着するらしいよ。”
     レンタバイクで フェリーの桟橋へ行くと、2人が大きな体を揺さぶって歩いてきた。
     ”ハイ、シルビア、ビル 久しぶり、元気にしてた?何がしたい?”
     ”トイレに行きたい”
     と、相変わらずのシルビアである。
     彼らは、テラガハーバーの近くの、リゾートに予約しているのでタクシーで行き、私は
     Issacに会い、様子をみてからホテルへいくから、そこで会うことにする。
     黄さんは、大分元気になった様で、李さんはインターネットでアクセスしていた。
     二人がチェックインしたリゾートは、3日ほど前にTerryと食事に行った並びにあるリゾートである。
     バーでビールを飲みながら、近況を話す。
     彼らは、7月に船を離れてフランス、スペインへ旅行しての帰り道にクアラルンプールに
     降りたらしい。
     ”ビル、今 あなたの船は何処においてるの?”
     ”また、ハウステンボスだよ。日本から離れられないんだ。”
     彼らは、昨年 ハウステンボスを出て、父島経由ハワイへ向かったのだが、時化に会い、
     メインセールを破って、又ハウステンボスに戻ってきたのである。
     ”それで、次の予定は?”
     ”今度は ハウステンボスを出て大阪経由 一気にバンクーバーへ行こうと思ってる。”
     ”私は、陸でも船酔いのようになる病気になったから、オーストラリアへ戻って治療する積り。
      更年期障害じゃないかと思っているから、2年程したら治るとおもっているの。
      だから、ビルは誰か2人程頼んで一緒に乗ってもらう積りよ。”
     と、シルビア。
     ”オバタ、一緒にどう?”
     ”ビル、私はあんたみたいに勇敢でもバカでもないからアリューシャン経由バンクーバーは
      遠慮しとくよ。 私は、イージーセーリング専門よ。”
     ”その割には、マストを無くしてるな。”
     ”そうなのよ。イージーセーリングが目標なんだけれど、何故か台風やらサイクロンに会うのね。
      ビル、何故 ハウステンボス、石垣島、香港、マカオ、ベトナムからシンガポールの
      コースにしないの。 まだ、バンクーバーよりましだよ。
      こちらなら 香港あたりから一緒に乗ってもいいよ。 もし 私が未だこの辺にいたらね。”
     ヨットの話になると尽きないので、今夜海鮮料理を食べに行く約束をして一旦別れる。
     海鮮料理を食べて、ロンダとマーテインの船に行く。
     ヨッテイは船とクルージングの話になると止まらなくなる。
     ビルもハウステンボスからどのコースを選ぶか、随分考えているようである。

 20日 朝9時 地元メカニック Mohd Zainol Bin Sudin (012-5369410、04−959−3613)と会う。
     遊帆UFOのインジェクションポンプの取り外しにかかる。
     上の4つのボルトはもう私がはずしているので、次は横のプレートを外し燃料調節ピンを外す作業である。
     このRack Assemblyに問題があるようでスムースに横に移動しない。
     ついでに、セルモーターも外し、工場に出してメンテナンスをしようと思っている。
     ロンダが良い工場を知っているので、月曜日にLha3金田さんと一緒に整備をしに行く積りである。
     Lha3も低速回転時のエンジンの揺れが大きいので調整してもらうらしい。
     このメカニックは海外で始めて会うメカニックらしいメカニックである。
     問題点指摘の的確さはいうまでもないが、自分のツールを持ってやってきたメカニックに会うのは
     初めてである。
     こちらのメカニックは大抵手ぶらでやってくるので、
     ”あんた、自分の商売道具はどうしたの?”
     と、聞きたくなるのである。
     
 21日 予備タンクを作る為にマリンプライウッドとバルブ、フタ ホース等を買いに
     レンタバイクで行く。
     途中でメカニックが教えてくれたSin Electric Tel;012-4334699,04-9668625
     でセルモータをメンテナンスに出す。
     マリンプライウッドは6mmの厚みで4x8ftが50rmである。
     バイクでは大きい物は運べないので、それぞれのパーツに切って貰うが
     加工賃10rmである。
     素人の私が切るよりズット綺麗に正確に切れるのでいつも切ってもらうのである。
     その他部品はいつも行く金物店である。
     同じハーバーに係留している、ヨーロッパ系夫婦ヨッテイがやってきて、デインギーの
     足ふみポンを旦那が買うと、200rmと言われ、奥さんの方が私の方に近づいてきて
     ”私がスーパーで沢山買い物しても200rmならないのに、船に必要な物となると、
      1つで200rmよ。”
     と、文句を言うのである。
     ”そうでしょ。船は悪い女と同じ、手に入れた後、もっとお金がかかるのよね。
      私も同じで、毎日1回食事しても3rmから5rm位なのに 船の修理には
      100倍位いるもんね。”
     全く、船は超一流の悪女と同じ、お金はかかるし、離れようと思っても離れられない
     と言う事になるのである。
     クアタウンまで来たついでに、ムルタバ(マレーのお好み焼き)を買って、Issacへ寄る。
     李さんも黄さんも船にいたので、ちょっとした酒盛りになってしまう。
     ”李さん、ここは係留費は高いし、波は入ってくるし、電気は使えないし、良い事ないから、
      出てテラガへきたほうが良いのと違う?”
     ”だけどウエストマリンにオートパイロットを注文して、受け取り先をこのハーバーの事務所に
      しているから、ここにいないと悪いような気がしてね。”
     ”私なんか、テラガハーバーに一度も係留したことないのに、堂々と事務所に入り、
      シャワーを使ってるよ。”
     李さんは、私の様に厚かましくない真面目な性格なのである。
     Issacと会うと、酒盛りが決まったコースになっているようである。
     体に影響ない限り、気の合う友と酒でも飲んでいるのが一番楽しいのである。

 22日 午前7時ハーバー事務所に集合、金田さん マーテイン、ステイーブとその奥さん
     ジュリーの5人でクアジェッテイーへ行く。
     金田さんと私とステイーブはそれぞれの船のインジェクションポンプ修理の為、
     マーテインは 背中に出来た脂肪切開手術のため、ジュリーは鼻の中に何か問題が
     あるらしいので病院へと言う事で、ランカウイからフェリーに乗って1時間半
     マレー半島側の町Alor Starまで行く。
     川の下流に港があり、漁船が沢山留っている。
     タクシーを2台に分けて、インジェクションポンプ修理組と病院組にする。
     工場は、Perkhidmatan Public Fuel Pump Tel;04-7330 or 047336152 
           Mr.Chan Boon Chong H/P 012-4757118
     この工場はインジェクションポンプ専門修理で、私のインジェクションバルブの圧力を
     測ってもらうと、2個が高圧になっていない。
     次にインジェクションポンプを分解すると、色んな所の部品に傷があり 取り替え
     なければならない。
     さすがに専門にメンテナンスをしているだけあって、問題箇所の指摘は的確である。
     今日中に出来る話ではないので、修理を頼んで、病院組の方へ行く。
     大きな体のマーテインは背中の脂肪を取って何針か縫ったらしい。
     ジュリーはまだ時間がかかるらしいので、マーテインと金田さんと3人で先に帰る。
     帰り道にセルモータの修理済みを25rm支払い持って帰る。
     帰ってみると、遊帆UFOが随分動いている。
     ”今日、朝 強い風が吹いて、あなたの船が少しずつ下がっているので、近所の
      ヨッテイに話して、アンカーブイに止めたよ。”
      それから、インジェクションポンプは部品交換し調節して1400rm程するらしいよ。”
     と、ロンダが教えてくれる。
     約10年間 インジェクションポンプはメンテナンスした事がなかったし、他に選択肢は
     ないのでOKで仕事を進めてもらう事にする。
     
 23日 朝から燃料予備タンク作りにかかる。
     買ってきたマリンプライウッドを箱にして、送り出し口、循環戻り口、燃料供給口
     ゲージ口等を開けて、FRPで貼っていく。
     私の仕事なので、それぞれの口の所が完全に密閉されているかどうか自信がない。
     昼からは 働くのは嫌になったので、外側のビーチに泳ぎに行く。
     砂浜は綺麗だが、海の水はタイの島々の様に透明ではない。
     それでも、高血圧を下げる為には水泳は効果があるように思うのである。
     夕方、最近見つけた建設現場の食堂が安くて美味しいのでそこへ行く。
     ここのオッサンは昔間組で仕事をしていたので日本語が少し話せる。
     私は、よく食べるのが分かっているらしく、御飯は他の人の倍は入れてくれる。
     オッサンのタイの奥さんがタイ料理を作っているので2品程皿に乗せ
     いくらか聞くと、2rmと無茶苦茶安いのである。
     あまりに安く気の毒なので、Lha3にも2品程オカズを持ち帰る。
     ここランカウイは、雪風の久保さんの話によると、一度バス会社が出来バスが
     走る事になったらしいが、タクシーの組合が反対して、廃止になったらしい。
     地元マレー優先だから、一般利用者やら、観光客の不便等お構いなしである。
     ペナンに比べて物価は高く、面白い事も無いので、アジア各地で見られるバックパッカー
     は、極端に少なく、ヨーロッパ系 お金持ち御老人夫婦が来る所のようである。

 25日 夕御飯を作っていると、迎えの船から夫婦でデインギーに乗って私の船の所にやってくる。
     ”私達は南太平洋を回ってこちらへ来たんです。
      名前はBob と Gail  Frenkhで船の名前はTulum111です。
      日本のシングルハンドヨッテイーで April foolという船、名前はコージという人をしりませんか?
      永らく、ソロモン島等で一緒に過ごしたんです。”
     ”生憎、私は知りませんが誰かにきいてみましょう。”
     人の良さそうな老夫婦である。
     もし、Aprilfool, コージ”という方をご存知の方、今どこにいるかご存知の方はメールを
     お願い致します。

 28日 フランス人リックの誕生日パーテイで、テラガハーバーのヨッテイが浜に集まる。
     リックはラムを1匹丸ごと買って、腹に色んな物を詰め込み4時間程かけて焼いている。
     パーテイ開始時間は7時頃だったが、早く焼けたので5時頃から集まり始める。
     30人位参加したが、フィリピンボンボノンで一緒だった、ステンレス製ヨットに乗っていた
     フランス人とフィリッピン人のカップルも17ヶ月になる男の子を連れて来ている。
     彼らはニューカレドニアでサイクロンに会い、ステンレス製ヨットは岩に打ち付けられて
     沈んでしまったそうで、今はランカウイの北側のホールインザウオールという
     ヨットのアンカーポジションで友人と一緒に店を開いているらしい。
     音響設備も浜に揚げて音楽をかける。
     お腹も膨れて、酒も入り、音楽がなるとダンスが始まる。
     ヨッテイは人生を楽しむと言う事に関しては、みんな達人なので、10時頃まで、
     砂浜でのパーテイは続いたのである。

 30日 酒を買い込んだら、プーケットへ直に行く積りが、インジェクションポンプ修理の為
     日が過ぎてしまった。
     明日からは12月、今年も、もう終わりである。
     何と1年過ぎるのが速いのだろう。
     ユキさんがシャロン湾にいる他は別に誰が待っている訳でもないので急ぐ必要はないのだが、
     ランカウイよりプーケットの方が何となく自由でのんびりした感じがあるので好きなのである。
     ここテラガハーバーも周囲を探検した結果、私にとっては良い場所が見つける事ができた。
     一つ目は、自転車で10分位走った所にある滝は気持ちがよく、洗濯と体洗いと運動の
     3つを一緒に済ませる事が出来る。
     2つ目は、建設現場の飯場レストランで、ここは味が良いのに加えて値段が安い。
     3つ目は、今アンカーを降ろしている所が漁船が入ってきて水揚げをしているので
     新鮮で安い魚が手に入る。
     4つ目は、州に1回金曜日にトラックに野菜、肉を積んで売りに来るので、クアの町まで
     行く必要がなくなった事である。
     どこでも、住めば都にしてしまうのが、ヨットマンのサガなのである。

雪風、久保さんからのVietnam 情報
香港でベトナムの3ヶ月ビザを取得後、マカオに寄り、海南島の北側を抜けて下記の順序で入港、
ベトナムはヨットでの入港が少ない為、本船手続きが必要であり、出来れば香港出港時にベトナムでの
本船手続き代理店を探しておくとスムーズに入国できそうである。
なお、費用は2万円程1回支払いその後の下記の3箇所の港では問題なく入港できたそうである。
手続き処理後はベトナム人は非常に親切でフレンドリーな扱いを受けたそうである。
Hai Phone
  アプローチ; 1番ブイ20-42-422N, 10-56-580E
  31番ブイ20-50-699N 106-46-168Eから左の水路へ向かう。
   ferry terminal 20-52-006N 106-40-789E
  港出口を出た左側に全て入管カスタムポートクリアランスができる。
ダナン
    アプローチ;16-07-078N 108-12-580E
    マリンブイ 16-06-941N 108-13-326E
    ハーバーマスター16-03-207N 108-13-475E
Nha Trang
   12-12-388N 109-12-036E
Vung Tan
    ハーバーマスター10-20-658N 107-04-062E
    アンカリング10-23-494N 107-05-515E

Tioman island malaysia 02-46-991N 104-12-585E

次のページ(66番 2004年末プーケット)へ行く。