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                 第131番 2012年ペナンーランカウイープーケット  1月

暖か〜い! 天国ダ〜!!

朝早く関空着、マレーシア航空のカウンターへ!

カウンターのお嬢さんにパスポートを渡すと何度もパソコンでチェックしている。

「済みません、予約ナンバーはお持ちですか?」

何か嫌な感じ!

手帳に控えた予約番号を見せると、又何度もチェックして

「あのう、12月4日になっていますが。。。」

「エエ?そんな、ここの手帳に4日とかいてあるでしょ!」

「どなたが予約されました?」

「ハイ! 私です。」

1月4日と12月4日を間違えて予約入れていたらしい。

愛想のいいお嬢さんは気の毒そうに、こう言う、

「生憎、今日は混んでおりまして席があいておりませんが、上の方に相談してまいります。」

半時間後、OKを貰い、書き換え料7千円を支払い乗れる事になった。

自分でした事ながら、シンジラレナ〜イ!!

ペナン時間午後8時到着。

タクシーで遊帆(UFO)に戻ると、又、蘭が咲いて待っていてくれた。

早速、水でシャワーしホッと一息ついた所である。


ランカウイープーケットのクルージング準備

準備と言っても、燃料と食糧積み込み、船外機整備、ダイビングタンクの手配、ポートクリアランス位である。

Aさん所有の42ftカタマラン(ミニ号)のポートクリアランスにまず行くと、書類を2枚ほど書いてOK。

問題は船外機とダイビングタンクである。

永い間動かしていないので、古いガソリンは全て捨てて新しいのと交換し、エンジンをかけるがからない。

これは、スパークプラグの交換とキャブレターの掃除をしなければならないようだ。

ダイビングタンクのレンタルは急には中々難しそうである。

明日、沖縄からTさんが合流し、明後日のランカウイへ出港予定。

ランカウイで2人合流しタイ領のLIPE島を目指す。

プーケットまでの小島を5泊程アンカーリングしながらいく。

食料はダイビングで魚、貝を取ってきて料理するという計画だが、今の所ダイビングタンクが無いので、どうなる事やら楽しみである。

怠け者の私は船上で皆さんが食材を取ってきてくれるのをビールを飲みながら監視する積りである。


1月7日ペナン出港


昨夜は友人の中華レストラン「カニ屋」で集まって飲みすぎてしまった。

午前7時、ペナンストレートキーハーバーをミニ号は静かに滑り出す。

この時期乾季で北東の風12ノット程吹いている。

オーナーのAさん、宮古島からTさん、私と男ばかり3人である。

船足は8ノット程出ているが、船の装備が良いので揺れもなく快調に進む。

出港して2時間程してルアーを流すと、30cm位のアジ系が掛かった。

これは昼の刺身で頂く。

ランカウイ島、テラガハーバーを目指すが、ここでもう二人A夫婦が参加するらしい。

空港にTさんと、迎えに行くと、椅子にウオルフガン(オーストリアのヨット仲間)によく似た男が座っているので、私がジロジロみると彼も同じように見ている。

暫くして彼が傍に来て、お互いニヤッと笑って握手である。

ハーバーに戻ると今度はウエインがいる。

ヨット仲間は、皆同じよう動きをするものだが、元気な顔を見ると嬉しい。

今夜の夕食はテラガハーバーのイタリアンで乾杯から始まる。


1月8日 ランカウイ島で

Tさんがペナンで携帯電話を忘れてきたとの事でAさん奥さんにフェリーでペナンからランカウイ島まで持ってきてもらう事に話は決まる。

彼は携帯電話の為に数人の人の手を煩わしたとの事で反省しきり、私など携帯を持たない人間にはよく分らない。

その為にレンタバイクでテラガハーバーからクアのフェリー乗り場まで行き、携帯を受け取ったり、入出国手続きをするというバタバタする日になった。

免税の島なので酒類を買い込む。


1月9日 タイ領リペ島

午前9時、燃料補給を済ますと、タイ領のリペ島(Ko Lipe)を目指す。

乾季(12月〜4月)は北東風の為帆走で7ノット平均で走っている。

バウ(船首)ネットの上で寝ころんでいると、涼しく天国である。

6時間後島に近づく、島を回り込んで適当な所にアンカーを降ろし第一回目のダイビングを、私以外の4人がする事になっている。

私は、船上でポテトサラダ作りである。

約40分後、鯛系の魚と ハリセンボン、シャコ貝を取ってあがってきた。

アンカーをあげ、リペ島の浜へ戻り、再度アンカーを打ち、夕食準備。

冷凍のラムステーキにポテトサラダ、シャコ貝の紐の刺身等。

Tさんが宮古島からお土産に持ってきてくれた泡盛で漬けた「とうふよう」とシャコ貝の紐の刺身は珍味であった。

夜は浜に上陸し、タイマッサージをして貰うが、風に吹かれて2時間ウツラウツラと天国にいたのである。

このリペ島は遊帆(UFO)で来ていた時とは違い、観光開発が進み、リゾートホテル、レストラン、コンビニ、土産物屋、ダイビングショップが立ち並び、浜は茣蓙と枕をだして寝そべるというピーピー島の様になっていた。

  


1月10日リペ島

昨日、スクーバータンクのエアーチャージをしたので、再度,近場でダイビングと言う事になった。

というのも、タンクが6本だけでダイビングする人が4人なので、エアチャージができるこの島でやっておこうという考えで、この先、無人島に近いのでエアーチャージができないという予想である

獲物はシャコ貝3個、ハタ系魚1匹、他2匹と中々のものである。

シャコ貝等、ゴロゴロしているとの事、料理の仕方も覚えたので、シュノーケリングでもこれからは獲れるだろう。

アンカーリングポイントは昨日と同じ、私を除く皆さんは上陸しターマッサージを再度受けに行った。


1月11日 ノク ノイ島

リペ島から方位345度距離43マイル程のノク・ノイ島を目指す。

シイラ、カツオ3匹掛かり、取れすぎるので仕掛けをあげる。

進行方向の右10マイルには奇岩、奇島が連なっているが、遠くに靄ってはっきり見えない。

波も風も無いので、機帆走に。

島の東側にアンカーブイがあり、それに舫を取って、4人はダイビングし、私はシュノーケリングを楽しむ。

ここの水の透明度は良い。

大潮の為か、珊瑚の卵と思われる浮遊物が海中に沢山いる。

勿論、魚も沢山泳いでいる。

島にはタイレストランが1軒だけで、テントが10張程建っているだけである。

アンカーチェーンは15mしかなく後は舫ロープなので、念のためというか幸いダイビングのついでに岩にくくりつけて舫をもう1本とったので安心できるだろう。



1月12日 ラチャヤイ島

9時半、1回目のダイビング後、次の島ラチャヤイ島(KoRacha Yai)に向ける。

距離は60マイル程、北に進む。

風が出て来て、帆走で12ノットで走る。

島を回り込み北側の湾に入り、ブイに舫う。

浜には高級リゾートが並んでいるが静かな島である。




1月13日 プーケット、シャロン湾へ

この島(ラチャヤイ島)でダイビングに潜ったのは良いが、銛を持たずカメラだけ持って潜ったので、釣りで今夜海鮮料理屋に持ち込む魚を用意して貰おうとの考えである。

一寸小ぶりながらハタ系の魚2匹を釣りあげたのでプーケット、シャロン湾へ向かう。

今の季節北西風の為、シャロン湾内は波が立っている。

テンダーで上陸するのもしぶきを被る覚悟がいる。

ここで降りる3人を上陸させたら、そのままランカウイ島へ向かうという案もでたが、私は反対する。

折角、プーケットまで来たのでサウナとタイマッサージは外せない。

舫ブイを取り、尚且つアンカーを落とすという慎重な処置をし、最後の海鮮パーテイの為に浜上陸を試みるが、干潮の為浜辺まで寄れない。

諦めて、ピアに舫いを取り、ピアの高級海鮮料理屋で盛り上がる。



1月14日 シャロン湾

宮古島のTさんがプーケットから飛行機で出発。

私は、馴染みのサウナとタイマッサージで時間をつぶす。

両側はバーが連なり、この街並みも随分変わってしまった。



1月15日

残り4人でレンタバイクでプーケット島の南周りを観光した後、Aさん夫婦は帰国の途につく。

乾季のこの時期は南側のナイハン湾が静かで、ヨットは沢山アンカーリングをしているが、前のビーチは沢山のパラソルが立ち並び、トップレスの女性が浜で寝ころんで肌を焼いている。

後はオーナーのAさんとの、男二人旅である。




1月16日 プーケットを離れる。

インターネットが繋がると、Aさんの奥さんからのメールで速くペナンに戻って来るようにとの事。

それでは、ランカウイ島まで120マイルほど、ノンストップで行かねばなるまいと言う事で、午前11時アンカーをあげ、シャロン湾を出る。

風も弱いので機帆走にして、平均7ノットで走る。

インド洋に落ちる夕日は雲の関係で素晴らしい景色になる時があるが、今日は生憎美しくないが、星が一杯煌めく。

今夜は半月、午前1時ごろ顔をだす。


1月17日 ランカウイ島テラガハーバーに朝9時入港。

あまり早く着きすぎても、ハーバー職員も出勤していないので、夜明け前に、エンジン回転を落とし時間調整をし、午前9時テラガハーバー入港。

取りあえず、イミグレ、カスタム、ハーバーマスターの申告を済ませ、いつでも出港できるようにして、酒を買いに行く。

ゴミを捨て、残った食料を料理し腐りそうなものは捨てる事にする。

これで全てペナン戻る準備が終わった。




1月18日 午前7時半ランカウイ島出港、ペナンまで70マイル程

夜明けとともに出港したのだが、天気の神様は意地悪なようで、速く帰れというAさん奥様の願いに答える事は難しい。

風は向かい風で殆ど無いので、Aオーナーはエンジン2機2300回転まであげ平均7ノットを維持。

それでも、ペナン着午後5時半、10時間で戻ってきたのである。

今まで遊帆(UFO)では12時間は速い方であったが。。

クルージングをしても、怠け者の私は日焼けはしないのだが、今回は真っ黒になった。

久しぶりのランカウイからプーケットまでのクルージングであった。

私の場合、同じ所は段々と興味が薄れるようである。

今まで行った事の無い島は、何もなくてもワクワクするのである。

今回、事故もなく快適にクルージングを終えられた事に対して、ミニ号のAオーナーに感謝の言葉を贈りたい。

又、このクルージング期間、Aオーナーの奥様が一人寂しくペナンで待っておられた事にも「有難う。」と言って終わろう。

航海距離:約400マイル


旧正月中

今週日曜日から土曜日まで中華系は旧正月の為お休みである。

先週までの2週間海の上にいた事もあり、インターネットテレビPPSというのでドラマを見る事が出来るようになった事もあり、遊帆(UFO)から降りない生活を続けている。

PPSでは日本のドラマが殆ど見れるし、韓国ドラマも見る事ができる。

韓国語は40%位分かるので何とか筋を理解できるが、残念ながら、中国ドラマは中国語を忘れてしまって分からない。

今は思い切りぐうたらな生活を楽しんでいる。

食べたい時に好きなものを食べ、寝たい時に寝て、見たいものを飽きるまで見るというものである。

「なあ〜んだ、そんな事で幸せなの?」

と言われれば、

「そうなんです。」

というばかりである。

人にぶつからない、迷惑をかけない、自由な時間を楽しむ幸せなのだが、ある人には全く退屈な時間になるのかも。。。


我がハーバー長屋

ペナンに現在ヨットハーバーは3カ所あるのだが、遊帆(UFO)の係留しているJabatanハーバーは一番古い。

政府系のハーバーなので、係留費は勿論、電気代、水道代も他の2つのハーバーに比べて格安である。

係留費の安さ、生活のしやすさからこのハーバーから離れる気が中々おこらない。

船内にセパレーツタイプのエアコンを設置、冷蔵庫、インターネット接続と陸上生活と変わらないし、後ろデ船外デッキは波板を屋根にして雨を防いでいる。

バイクか電動自転車で町を走りまわり、日本食材も何でも手に入る。

桟橋は各船が物を置きゴチャゴチャしているし、桟橋で車座になり料理を食べ、酒を飲んでも誰も文句は言わない。

セーリングヨットのオーナーは、80%位船で生活をし、パワーボートオーナーは殆どクルーにメンテナンスを任せて、乗船時だけやってくる。

以前はセーリングヨットの方が多かった為、よく飲み会をしたものだが、今はそれも少なくなってきた。

遊帆(UFO)もすっかり浮家となってしまったが、ロングクルージングの思いは未だ胸の中で燻り続けている。

もう一度、知らない海と知らない島へ、行き当たりばったりの航海をするという思いである。


1月31日 都々逸日記

今日で2012年の1月も終わり、本当に時の経つのが速く感じられる。

ペナンには退職ビザをとり、こちらに老後を過ごすために移住している人が最近多いようです。

表面の物価の安さだけで、海外生活を始めて暫く経つと、何でも日本と比べる為か、無い物ねだり状態になる人、或いは、日本は良くてその反動の為か、現地人&現地文化を貶して納得する人等に変わっていく人も少なくありません。

中国人、インド人、ドイツ人等と違って、現地で生活の根を張り生活すると言うのではなく、片足を日本に残したままで生活するというようで、やがて日本恋しいと塞ぎこむ人も多いようです。


・ 恋もすぎれば

     病となるさ

        いかに啓くか

           わが浮世



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