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                      第158番 最終章2

50歳から悪女遊帆(UFO)に囚われ20年、その間、素晴らしい時と自由をくれた。
私は、そこそこ老いを感じ海上生活が厳しくなり、陸上生活を始めた。
遊帆(UFO)の行く末については、随分と悩んだ。
出来れば、ヨットをよく知り、自分で修理できるヨットマンが現われれば譲渡すると言う考えに至った。
しかし、船の事を知らない素人が手に入れると、彼女に取りつかれ多額の修理費がいる事になり、人生も狂う事になる。
又、今やヨットクルージング生活も大きく変わりつつある。
それはヨットとナビゲーション、リギンの性能アップにより、誰でも長期海外クルージングも可能になり沢山のヨットが航海しだした。
そうなれば、各国も入出国、ビザ、船籍管理に真剣に取り組むようになり、色々と制限され海が狭くなってきた。
例えば、マレーシアでは今まではビザ無で90日間滞在可能で、滞在期間が近づくと近いタイ等に出国し再入国すれば又90日間滞在可能で、何度も繰り返す事が出来た。
今は、年間2回の入国だけとなった。
タイでも滞在1回30日、2回目からは2週間だけとなった。
その為、私は彼女を廃船という決断をした。